独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は10月26日、2017年7月から9月の四半期における「サイバー情報共有イニシアティブ(J-CSIP)運用状況」を公開した。この期間には、新たに「航空業界SIG」「物流業界SIG」「鉄道業界SIG」が発足したほか、化学業界SIG、クレジット業界SIGに新たな参加組織があり、11業界190組織となった。同四半期、J-CSIP参加組織からIPAに対し、標的型攻撃メールと思われる不審なメール等の情報提供が57件(前四半期は1,213件)行われ、その情報をもとにIPAからJ-CSIP参加組織へ17件(同26件)の情報共有が実施された。標的型攻撃メールとみなした情報は3件となった。数は減少しているものの、日本語のばらまき型メールが前四半期に引き続き観測されており、またこれらは件名や本文に不自然さがほとんどなく、引き続き注意が必要としている。Office 365のアカウント情報を騙し取る目的のフィッシングメールも複数観測しており、この攻撃は企業等にとって大きな脅威となるとしている。Office 365を契約すると、メールやスケジュール管理のデータや、Word、Excelで作成したデータをクラウド環境に保存、共有できる。このため、Office 365のアカウント情報はその企業の機密情報にアクセスする手段となる場合がある。フィッシングの手口も増えているため、IPAではログイン時にURLを確認することや、メールのリンクをクリックしないなどの対策を呼びかけている。