株式会社富士通研究所は1月19日、国立大学法人東京大学(東京大学)、学校法人東邦大学(東邦大学)と共同で、IoT機器向けにPCなどで広く用いられる公開鍵暗号を利用した暗号通信方式TLSの認証処理時間を、同等の暗号強度をもつ従来方式と比較して約5分の1に短縮する認証技術を開発したと発表した。核となる認証付き鍵交換方式の処理負荷を軽減し、さらに演算処理を高速化することでTLSへ組み込み可能な認証技術を開発したという。今回、実現する機能をTLSに必要な認証と鍵交換に限定し、処理量の少ない認証付き鍵交換方式を導入するとともに、最初にIDを通知する仕組みを考案して効率的な通信手順を実現した。IDベース暗号における効率の良い認証付き鍵交換方式をTLSに適用するのは世界初となる。また、鍵交換処理において、類似した演算が何度も行われることが分かったことから、これらをまとめて実行可能にする方式を考案し、IDベース暗号における鍵交換処理の高速化を実現した。今後は、富士通研究所は2017年度の実用化を目指し、東邦大学とともに本技術を適用したIEEE 1888通信ソフトウェアをGUTP参加団体へ提供、適用拡大を図るとしている。