「Angler Exploit Kit」によりEmdiviおよびZeusVMの感染が増加(ラック) | ScanNetSecurity
2024.07.27(土)

「Angler Exploit Kit」によりEmdiviおよびZeusVMの感染が増加(ラック)

ラックは、同社のセキュリティ監視センター「JSOC」によるセキュリティレポート「JSOC INSIGHT vol.10」を公開した。

調査・レポート・白書・ガイドライン
セキュリティレポート「JSOC INSIGHT vol.10」
  • セキュリティレポート「JSOC INSIGHT vol.10」
  • 重要インシデントの検知件数推移(2015 年7 月~9 月)
  • エクスプロイトキットの検知件数推移
  • ZeusVM 及びEmdivi の検知件数推移
株式会社ラックは1月6日、同社のセキュリティ監視センター「JSOC」によるセキュリティレポート「JSOC INSIGHT vol.10」を公開した。本レポートは、JSOCが監視しているセキュリティ対策機器において、2015年7月から9月までの間に検知した攻撃を同社のセキュリティアナリストが分析し、インシデントの傾向や特に注目すべき脅威について、詳細に説明したもの。同期間の重要インシデント件数は、インターネットからの攻撃によるものが289件(前四半期は287件)、内部から発生したものが212件(同400件)であった。

インターネットからの攻撃による重要インシデントは、件数は前回とほぼ同数であるが、その内訳は変化している。具体的には、HeartBleed攻撃の件数が増加し、不審なファイルアップロード攻撃の件数が減少した。HeartBleed攻撃の件数が増加した要因は、特定の顧客に脆弱なホストが存在し、同様の攻撃が繰り返し行われたためだという。一方で、ネットワーク内部から発生した重要インシデントの件数が大幅に減少したのは、特定の顧客で継続していたマルウェア感染への対応が完了したためとしている。

またレポートでは、注目のトピックとして「エクスプロイトキットの増加とZeusVMの関係について」「BINDに存在するサービス不能の脆弱性(CVE-2015-5477)について」を取り上げている。システム侵入を目的としたツールキット「Angler Exploit Kit」の増加により、ZeusVMに感染した通信が増加した。なお、Emdiviの感染通信は8月以降は検知していないという。BINDの脆弱性については、JSOCでは攻撃通信は見知していないが、すでに実証コードが公開されており、悪用が非常に容易なため早急なアップデートを呼びかけている。
《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

編集部おすすめの記事

特集

調査・レポート・白書・ガイドライン アクセスランキング

  1. 警察庁 2022年サイバー空間をめぐる脅威公表、ランサムウェア被害右肩上がり

    警察庁 2022年サイバー空間をめぐる脅威公表、ランサムウェア被害右肩上がり

  2. 迷惑メール対策推進協議会「送信ドメイン認証技術 DMARC導入ガイドライン」公表

    迷惑メール対策推進協議会「送信ドメイン認証技術 DMARC導入ガイドライン」公表

  3. 少年の非行について直接の原因・動機は「所有・消費目的」が67.0%で最多(警察庁)

    少年の非行について直接の原因・動機は「所有・消費目的」が67.0%で最多(警察庁)

  4. 取締役や幹部への罰金 禁固 罷免 解雇 ~ サイバー攻撃後の被処罰最多は APJ 地域

  5. 1,952 社から 9,208 件の報告 ~ 2023年度 Pマーク付与事業者の個人情報取扱いにおける事故

  6. 金融機関は p=reject 設定が多い ~ TwoFive「国内DMARC統計とその傾向 2024年7月版」

  7. 敵対的 AI 対抗で「侵入前提」から「予防優先」に転換

  8. ランサムウェアの種別特定やセカンドオピニオンも ~ セキュリティ企業も頼りにできる JPCERT/CC

  9. JNSA 2023 十大ニュース ~ 富士通への行政指導や名古屋港のランサムウェア感染、元派遣社員による持ち出し等

  10. 7月のフィッシング報告状況、「.cn ドメイン」のフィッシングメールを多く確認

アクセスランキングをもっと見る

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×