ホーチキは、セキュリティショー2015にて、大学や病院あるいは多棟型の集合住宅など、主に広大な面積に広がる施設に向けた「広域防災ネットワークシステム」を展示した。 11日に発生からまる4年となる東日本大震災。災害時に、どこに誰がいて、どのような方法で避難指示、避難誘導を出すのかは大きな課題となった。広いエリアに施設が広がっている場合、有事の際になかなか状況が把握しにくい。そこで本システムでは、防災・防火・防犯についての情報を、防災センターなどに集中し、状況を把握。また、施設内放送を通じて全体、あるいは一部に対して警報、誘導を行うことが可能だ。 同社が20~30年前から手がけてきた広域集中管理システムでは、主に有線放送などに使用されているケーブルにシステムを相乗りさせるなどの方法で導入してきたが、今回の展示ではそこにネットワーク環境を加えたものを提案している。 既存の光ファイバーケーブルなどの有線設備を活用しつつ、無線・有線のネットワーク環境も付加したシステムを導入することにより、防災センターなど以外にも拠点を移し、情報を把握、施設内に伝達することが可能になっている。また、人感センサーなどを搭載したネットワークカメラを組み合わせることで、防犯を強化することも比較的容易になる。さらに警報や随時の情報も、施設内の不特定多数に向けたスピーカー放送で伝達するだけはなく、施設関係者のモバイル端末に向けてメールや音声で通知することもできる。 これまでのユーザーの要望としては「火災報知機を一括管理したい」という声がもっとも多かったというが、ネットワーク環境を利用することによって、既設のシステムを生かしつつ、さらに幅広く、ユーザーの要望に答えるシステムを構築することが可能となっている。