Mozilla Firefox の WebIDL の実装に起因する任意コード実行の脆弱性(Scan Tech Report)
Mozilla Firefox にポップアップブロック機能を回避して、chrome 特権で任意の JavaScript が実行可能な脆弱性が報告されています。
脆弱性と脅威
エクスプロイト
Mozilla Firefox にポップアップブロック機能を回避して、chrome 特権で任意の JavaScript が実行可能な脆弱性が報告されています。
ユーザが悪質な Web ページを閲覧した場合に、リモートの第三者によってシステム上で不正な操作が実行される可能性があります。
この脆弱性はハッキングコンテスト Pwn2Own 2014 で Mariusz Mlynski 氏が発見し、mozilla.org が 2014 年 3 月に解消バージョンの Firefox をリリースした問題になります。
脆弱性を悪用された場合の影響度が高いため、影響を受けるバージョンの Firefox を利用するユーザは可能な限り以下に記載する対策を実施することを推奨します。
2.深刻度(CVSS)
9.3
http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2014-1510&vector=%28AV:N/AC:M/Au:N/C:C/I:C/A:C%29
9.3
http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2014-1511&vector=%28AV:N/AC:M/Au:N/C:C/I:C/A:C%29
3.影響を受けるソフトウェア
Mozilla Firefox ESR 24.3 以前
Mozilla Firefox 27.0 以前
※1 SeaMonkey 2.24 以前、Thunderbird 24.3 以前も、脆弱性の影響を受けますが、デフォルトで JavaScript が無効になっているため、メールを利用した脆弱性の悪用は困難であることが mozilla.org より報告されています。
4.解説
Mozilla Firefox の WebIDL※2 コンポーネントには、nsGlobalWindow.cpp において、window.open メソッドを呼び出す際に、新規ウィンドウに対してセキュリティ制限を適切に適用しない不備があるため、不正なコンテンツをchrome 特権で読み込んでしまう脆弱性 (CVE-2014-1510) が存在します。
また、Firefox には、nsHTMLDocument::Open() 関数 (nsHTMLDocument.cpp)の実装に不備があるため、不正なコンテンツを介してユーザの操作なしにポップアップブロック機能※3 を回避可能な脆弱性 (CVE-2014-1511) が存在します。
これら 2 つの脆弱性を組み合わせて利用することで、リモートの攻撃者は、Firefox を実行するユーザの権限で任意のコード実行が可能となります。
※2 http://www.w3.org/TR/WebIDL/
※3 https://support.mozilla.org/ja/kb/pop-blocker-settings-exceptions-troubleshooting
5.対策
以下の Web サイトより Mozilla Firefox ESR 24.4 または Firefox 28.0 以降を入手しアップデートすることで、この脆弱性を解消することが可能です。
あるいは、Firefox の JavaScript 機能を無効にすることで、この脆弱性による影響を緩和することが可能です。
Firefox のダウンロード:
http://www.mozilla.com/firefox/
6.ソースコード
(Web非公開)
(執筆:株式会社ラック サイバー・グリッド研究所)
※Web非公開該当コンテンツ閲覧をご希望の方はScan Tech Reportにご登録(有料)下さい。
Scan Tech Report
http://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html
ソース・関連リンク
関連記事
Scan PREMIUM 会員限定記事
もっと見る-
-
Jenkins に任意のファイルの読み取りが可能となるコマンドラインインターフェース機能におけるアクセス制御不備の脆弱性(Scan Tech Report)
2024 年 1 月に公開された、任意のファイルの読み取りが可能となる Jenkins の脆弱性に対するエクスプロイトコードが公開されています。
-
今日もどこかで情報漏えい 第22回「2024年2月の情報漏えい」プロモーションではなかった 公式 X への攻撃
2 月に最も件数換算の被害規模が大きかったのは、株式会社大藤つり具による「大藤つり具にランサムウェア攻撃、過去にダイレクトメールを送付した顧客情報が流出した可能性」の最大 約20 万件だった。
-
人かAIか? 生成方法別フィッシングメール打率比較
類似の実験では「見分けがつかない」「成功率が高い」といった結果にとどまっていることが多いが、この論文では AI 作成フィッシングメールの「品質評価」、人力と AI 作成メールに対して AI がどの程度、真贋や意図を判定できるかにまで踏み込んで調べた。