Microsoft Windows XP の MQAC.sys ドライバに起因する 0-Day エクスプロイト(Scan Tech Report) | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2017.11.25(土)

Microsoft Windows XP の MQAC.sys ドライバに起因する 0-Day エクスプロイト(Scan Tech Report)

脆弱性と脅威 エクスプロイト

1.概要
Microsoft Windows XP の MQAC.sys ドライバに、権限昇格が可能な 0-Day の脆弱性が存在します。
システムにアクセス可能な悪意あるユーザに利用された場合、Local SYSTEM 権限を取得され、システムを完全に制御される可能性があります。
Windows XP で MSMQ サービスを有効にする環境では、脆弱性を悪用される可能性があるため、対象のユーザは速やかに以下に記載する対策を実施することを推奨します。


2.深刻度(CVSS)
7.2
http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2014-4971&vector=%28AV:L/AC:L/Au:N/C:C/I:C/A:C%29


3.影響を受けるソフトウェア
Microsoft Windows XP SP3


4.解説
Microsoft メッセージキュー (MSMQ) は、メッセージの処理を非同期で行うプロセス間通信の仕組みであり、Windows では、MQAC.sys ドライバによって実装されています。

Windows XP の MQAC.sys ドライバには、mqac!AC2QM 関数において、制御コードとして 0x1965020f が指定された IOCTL リクエストを処理する際に、引数に含まれる OutputBuffer のアドレスを適切にチェックしない不備があります。

このため、DeviceIoControlFile 関数※1 を介して、当該制御コードおよびOutputBuffer に特定のメモリアドレスを指定した不正な IOCTL リクエストを送信することで、メモリ領域に任意のデータを書き込むことが可能な脆弱性が存在します。

この脆弱性を利用することで、システムにアクセス可能なローカルの攻撃者はLocal SYSTEM (NT AUTHORITY\SYSTEM) に権限昇格を行い、当該権限で任意のコードが実行可能となります。

なお、Windows XP に MSMQ サービスをインストール※2 し、当該サービスを有効にする環境のみが、この脆弱性の影響を受けます。
デフォルトの設定では、Windows XP に MSMQ サービスはインストールされていないため、手動でインストールする必要があります。

発見者である korelogic 社によれば、この脆弱性は、2014 年 4 月 28 日 に Microsoft 社に報告したが、提示した期間内に同社より有効な回答が得られなかったため、2014 年 7 月 18 日に、パッチ未提供の状態で公開に踏み切ったと説明しています。

また、Bluetooth デバイスを扱う BthPan.sys ドライバにおいても、同様の脆弱性があると korelogic 社は報告※3 しています。

※1 http://msdn.microsoft.com/en-us/library/ms648411%28v=vs.85%29.aspx
※2 http://support.microsoft.com/kb/256096
※3 https://www.korelogic.com/Resources/Advisories/KL-001-2014-002.txt


5.対策
現時点 (2014 年 7 月 28 日) では、この脆弱性を解消するパッチは、リリースされていません。
このため、Windows 7 や Windows 8 等の Windows OS にアップグレードすることで、この脆弱性を解消することが可能です。

また、MSMQ サービスを無効、あるいは MSMQ サービスをシステムからアンインストールすることで、この脆弱性を回避することも可能です。

なお、Windows XP は、2014 年 4 月にサポート終了した OS となります。
最新の Windows OS にアップグレードすることを強く推奨します。


6.ソースコード
(Web非公開)

(執筆:株式会社ラック サイバー・グリッド研究所

※Web非公開該当コンテンツ閲覧をご希望の方はScan Tech Reportにご登録(有料)下さい。

Scan Tech Report
http://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html
《株式会社ラック サイバー・グリッド研究所》

関連記事

Scan PREMIUM 会員限定記事

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定記事特集をもっと見る

Scan BASIC 会員限定記事

もっと見る

Scan BASIC 会員限定記事特集をもっと見る

[Web小説] サイバー探偵 工藤伸治の事件簿サーガ (シーズン 1~6 第1話)

もっと見る

[Web小説] サイバー探偵 工藤伸治の事件簿サーガ (シーズン 1~6 第1話)特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

脆弱性と脅威 カテゴリの人気記事 MONTHLY ランキング

  1. Microsoft Windows OS において DLL Hijacking により UAC を回避する手法(Scan Tech Report)

    Microsoft Windows OS において DLL Hijacking により UAC を回避する手法(Scan Tech Report)

  2. ランサムウェア「Bad Rabbit」感染に注意喚起、水飲み場攻撃を実行か(IPA)

    ランサムウェア「Bad Rabbit」感染に注意喚起、水飲み場攻撃を実行か(IPA)

  3. 「GNU Wget」にリモートから任意のコードを実行される複数の脆弱性(JVN)

    「GNU Wget」にリモートから任意のコードを実行される複数の脆弱性(JVN)

  4. Savitech製USBオーディオドライバに、ルートCA証明書を導入される脆弱性(JVN)

  5. GNU wget に HTTP プロトコルのハンドリングにおける値検証不備に起因するバッファオーバーフローの脆弱性(Scan Tech Report)

  6. アップルがSafari、macOS、iOSなどのアップデートを公開、適用を呼びかけ(JVN)

  7. トレンドマイクロの管理マネージャに複数の脆弱性(JVN)

  8. 8以降のWindowsに、特定のメモリアドレスのコードを悪用される脆弱性(JVN)

  9. 「Microsoft Office 数式エディタ」に任意コード実行の脆弱性(JVN)

  10. パケット解析ツール「Packetbeat」にDoS攻撃を受ける脆弱性(JVN)

全カテゴリランキング

特集

★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★
<b>★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★</b>

経営課題としてサイバーセキュリティに取り組む情報システム部門や、研究・開発・経営企画に携わる方へ向けた、創刊19年のセキュリティ情報サービス Scan PREMIUM を、貴社の事業リスク低減のためにご活用ください。

×