Linux Kernelのユーザ名前空間機能に起因する権限昇格の脆弱性(Scan Tech Report) | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2017.09.26(火)

Linux Kernelのユーザ名前空間機能に起因する権限昇格の脆弱性(Scan Tech Report)

脆弱性と脅威 エクスプロイト

1.概要
Linux Kernel 3.8には、ユーザ名前空間(User Namespace)機能に関連する箇所においてグループID(GID)のチェックが欠落している不備により、任意のGIDを取得可能な脆弱性が報告されました。ローカルの悪意あるユーザに利用された場合、本来許可されていないGIDを取得されて任意の操作が実行される可能性があります。
本脆弱性の悪用は容易であると考えられ、環境次第では深刻な影響を受ける可能性があるため、対象のユーザは速やかに以下の対策を実施することを推奨します。


2.深刻度(CVSS)
7.2
http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2014-4014&vector=(AV:L/AC:L/AU:N/C:C/I:C/A:C)


3.影響を受けるソフトウェア
Linux Kernel 3.14.8 未満

※1 影響を受けるLinux Kernelのバージョンでユーザ名前空間を実装する多くのLinuxディストリビューションがこの脆弱性の影響を受けます。


4.解説
Linux Kernel 3.8より実装されたユーザ名前空間(User Namespace)機能はUID,GIDの空間を名前空間ごとに独立して持たせる機能を提供します。この機能により、ユーザに名前空間の中と外で異なるユーザID(UID),グループID(GID)を持たせることができます。例えば特定のユーザに対してホストOS上とコンテナ内でそれぞれ異なるUID,GIDのマッピングを行い、ユーザに異なる権限を持たせた環境を提供することができます。

chmodでsetgidビットを設定するような際、このマッピングされた権限のチェックにおいて使用されるinode_capable()関数でGIDのチェックが行われていないため、任意のGIDを取得可能な脆弱性が存在します。

このため、例えば自身が所有する特定ファイルにグループ権限がrootに付与されている(GID root)ような特定の状況下においてこの脆弱性を利用することで、ローカルの攻撃者はGID rootの権限で任意の操作が可能となり、結果としてroot権限を取得される可能性があります。


5.対策
以下の Web サイトより Linux Kernel 3.14.8 以降を入手しカーネルをアップデートすることで、この脆弱性を解消することが可能です。

https://www.kernel.org

また、Linux ディストリビューションにおいては、それぞれのベンダが提供するセキュリティアドバイザリを参考に、適切なパッケージを入手しアップデートすることで、この脆弱性を解消することが可能です。


6.ソースコード
(Web非公開)

(執筆:株式会社ラック サイバー・グリッド研究所

※Web非公開該当コンテンツ閲覧をご希望の方はScan Tech Reportにご登録(有料)下さい。

Scan Tech Report
http://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html
《株式会社ラック サイバー・グリッド研究所》

関連記事

Scan PREMIUM 会員限定

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定特集をもっと見る

Scan BASIC 会員限定記事

もっと見る

Scan BASIC 会員限定記事特集をもっと見る

[Web小説] サイバー探偵 工藤伸治の事件簿サーガ (シーズン 1~6 第1話)

もっと見る

[Web小説] サイバー探偵 工藤伸治の事件簿サーガ (シーズン 1~6 第1話)特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

脆弱性と脅威 カテゴリの人気記事 MONTHLY ランキング

  1. 自動車ハッキングのリスク 本当のところ - 名古屋大学 高田教授に聞く

    自動車ハッキングのリスク 本当のところ - 名古屋大学 高田教授に聞く

  2. Wi-Fiルータを攻撃し、Androidユーザを感染させるトロイの木馬を発見(カスペルスキー)

    Wi-Fiルータを攻撃し、Androidユーザを感染させるトロイの木馬を発見(カスペルスキー)

  3. Apache Struts 2 において REST プラグインの実装不備により任意のコードが実行されてしまう脆弱性(Scan Tech Report)

    Apache Struts 2 において REST プラグインの実装不備により任意のコードが実行されてしまう脆弱性(Scan Tech Report)

  4. Git における値検証不備を悪用して任意のコードが実行可能となる脆弱性(Scan Tech Report)

  5. 「WannaCry」や「Mirai」の亜種や別種によるアクセスが増加(警察庁)

  6. 富士ゼロックスが提供する複数の製品に任意コード実行の脆弱性(JVN)

  7. 幅広い環境が影響を受けるBluetoothの脆弱性「BlueBorne」に注意喚起(JPCERT/CC)

  8. NTT西日本の「フレッツ接続ツール」に任意コード実行の脆弱性(JVN)

  9. Apache Struts 2 において REST プラグインでの XML データ処理の不備により遠隔から任意のコードが実行可能となる脆弱性(Scan Tech Report)

  10. Microsoft Windows の GDI に Palette オブジェクトにおける整数オーバーフローにより管理者権限で任意のコードが実行可能となる脆弱性(Scan Tech Report)

全カテゴリランキング

特集

★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★
<b>★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★</b>

経営課題としてサイバーセキュリティに取り組む情報システム部門や、研究・開発・経営企画に携わる方へ向けた、創刊19年のセキュリティ情報サービス Scan PREMIUM を、貴社の事業リスク低減のためにご活用ください。

×