1.概要WinRAR には、ZIP アーカイブ内のファイル名を適切にチェックせず処理してしまう脆弱性が存在します。ユーザが WinRAR の GUI から ZIP アーカイブ内のファイルを閲覧した場合、表示内容とは異なるファイル名を偽装した不正なファイルが実行される可能性があります。脆弱性を悪用された場合の影響度が高いため、Windows 環境で影響を受けるバージョンの WinRAR を利用するユーザは可能な限り以下の対策を実施することを推奨します。2.深刻度(CVSS)CVE-ID 未割り当てのため、現状なし3.影響を受けるソフトウェアWinRAR 4.20 以前4.解説ZIP アーカイブのファイル名は、セントラルディレクトリファイルヘッダ※1で指定されるファイルを表示します。WinRAR には、ZIP アーカイブ内のファイルを処理する際に、セントラルディレクトリファイルヘッダで指定されるファイル名ではなく、ローカルファイルヘッダで指定されるファイル名でファイルを処理してしまう脆弱性が存在します。このことにより、ユーザが WinRAR の GUI から ZIP アーカイブ内のファイルを閲覧した場合に、表示内容とは異なるファイル名を偽装した不正なファイルが実行されてしまいます。なお、IntelCrawler 社※2 によれば、航空宇宙企業などに対するこの脆弱性を悪用した標的型攻撃を確認していると報告しています。この攻撃は、欧州理事会 (European Council) を装った、FAX.zip という添付ファイル付きのメールが送付され、FAX.zip の中身は、ファイルを偽装したオンラインバンキングのアカウント情報を盗むマルウェア Zeus であったとしています。※1 http://en.wikipedia.org/wiki/Zip_%28file_format%29※2 http://intelcrawler.com/report_2603.pdf5.対策以下の Web サイトより、WinRAR 5.0.0 以降を入手しアップデートすることで、この脆弱性を解消することが可能です。WinRAR and RAR archiver downloads:http://www.rarlab.com/download.htm6.ソースコード(Web非公開)(執筆:株式会社ラック サイバー・グリッド研究所)※Web非公開該当コンテンツ閲覧をご希望の方はScan Tech Reportにご登録(有料)下さい。Scan Tech Reporthttp://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html
Microsoft Internet Explorer の TextRange オブジェクトの取り扱いに起因する解放済みメモリ使用の脆弱性(Scan Tech Report)2014.4.2 Wed 8:00