株式会社日本レジストリサービス(JPRS)は7月27日、「BIND 9.xの脆弱性(DNSサービスの停止)について」を発表した。これは、BIND 9.xにおける実装上の不具合により、namedに対する外部からのサービス不能(DoS)攻撃が可能となる脆弱性(CVE-2013-4854)が、開発元のISCから発表されたというもの。本脆弱性の対象となるのは、BIND 9.7.0以降のすべてのバージョンのBIND 9で、以下の通りとなる。オープンソース版:・9.7系列: 9.7.0~9.7.7・9.8系列: 9.8.0~9.8.5-P1、9.8.6b1・9.9系列: 9.9.0~9.9.3-P1、9.9.4b1サブスクリプション版:・9.9.3-S1、9.9.4-S1b1BIND 9.6-ESVおよびBIND 10は、本脆弱性の対象とはならない。BIND 9.xにはリソースレコード(RR)の取り扱いに不具合があり、不正な形式のRDATAを含む特別に作成されたDNS問い合わせを受信拒否する処理において、namedが異常終了を起こす障害が発生する。本脆弱性を利用した攻撃はリモートから可能であり、かつ、キャッシュDNSサーバ・権威DNSサーバの双方が対象となる。また、本脆弱性はBIND 9に付属のDNSライブラリ内に存在するため、そのライブラリを使用しているnamed以外のプログラムやアプリケーションなどにおいても、影響を及ぼす可能性がある。ISCでは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「重大(Critical)」と評価している。JPRSでは、「BIND 9.9.3-P2」「9.8.5-P2」へのアップグレード、または各ディストリビューションベンダからリリースされるパッチの適用を実施するよう呼びかけている。