1.概要Mozilla Firefox にセキュリティ制限を回避して、chrome 特権で任意のJavaScript が実行可能な脆弱性が報告されました。ユーザが悪質な Web ページを閲覧した場合に、リモートの第三者によってシステム上で不正な操作が実行される可能性があります。脆弱性を悪用された場合の影響度が高く、今後、当該脆弱性を悪用するマルウェア等が出現する可能性も考えられるため、影響を受けるバージョンの Firefox を利用するユーザは可能な限り以下に記載する対策を実施することを推奨します。2.深刻度(CVSS)・CVE-2013-07579.3http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2013-0757&vector=%28AV%3AN/AC%3AM/Au%3AN/C%3AC/I%3AC/A%3AC%29・CVE-2013-075810.0http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2013-0758&vector=%28AV%3AN/AC%3AL/Au%3AN/C%3AC/I%3AC/A%3AC%293.影響を受けるソフトウェア ※Mozilla Firefox 17.0.1 以前 ※2※1 SeaMonkey 2.14 以前、Thunderbird 17.0.1 以前も、脆弱性の影響を受けますが、デフォルトで JavaScript が無効になっているため、一般的にメールを利用した脆弱性の悪用は不可能であることが mozilla.org より報告されています。※2 Firefox 延長サポート版 (Firefox ESR 17.0.1 以前) も、脆弱性の影響を受け、解消バージョンがリリースされています。4.解説Mozilla Firefox には、Object.prototype.__proto__ メソッドを取り扱う際のオブジェクトのプロトタイプ変更処理に不備あるため、当該メソッドを介して、Chrome Object Wrapper (COW) によるセキュリティ制限を回避し、chrome特権 (chrome://) 機能を利用可能な脆弱性が存在します。(CVE-2013-0757)また、 Firefox には、Scalable Vector Graphics (SVG) 要素において、Flash オブジェクトを取り扱う際のセキュリティ制限の実装に不備があるため、chrome 特権でコンテンツにアクセス可能な脆弱性も存在します。(CVE-2013-0758)これら 2 つの脆弱性を組み合わせて利用することで、リモートの攻撃者は、Firefox を実行するユーザの権限で任意のコード実行が可能となります。5.対策以下の Web サイトより Mozilla Firefox 18.0 以降を入手しアップデートすることで、この脆弱性を解消することが可能です。Mozilla Firefox 18.0:http://www.mozilla.com/firefox/6.ソースコード(Web非公開)(執筆:株式会社ラック サイバー脅威分析センター)※Web非公開該当コンテンツ閲覧をご希望の方はScan Tech Reportにご登録(有料)下さい。Scan Tech Reporthttp://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html