トレンドマイクロ株式会社は4月18日、ボストン・マラソン同時爆破事件に関連したスパムメールについてブログで紹介している。同社TrendLabsでは、この事件に関連したスパムメールを9千通以上確認しているという。このスパムメールには、「http://<省略>/boston.html」などのURLのみが記載されており、リンクをクリックすると動画共有サイト「YouTube」を装った動画が埋め込まれたWebページが表示される。リンクをクリックした時点で「Blackhole Exploit Kit」による脆弱性への攻撃が行われ、不正プログラムが自動的にダウンロードされる「ドライブバイダウンロード攻撃」が実行される。ダウンロードされるのは「WORM_KELIHOS」ファミリの新たな亜種だが、そのIPアドレスはアクセスするたびに変更される。その所在地は、2013年4月17日の時点で、アルゼンチン、台湾、オランダ、日本、ウクライナ、ロシアそしてオーストラリアといった複数の国々であることが判明している。ワームはリムーバブルドライブ内のすべてのフォルダを隠しフォルダにするほか、隠したフォルダ名と同一のファイル名のショートカットファイル(拡張子LNK)を作成する。そしてメールアドレスや、FTPソフトから認証情報を収集しようとする。また、電子通貨「Bitcoin」を狙うことも明らかになった。なお、この攻撃とは別に、Twitterなど他のプラットフォームが同様の脅威を拡散するために利用されていることも確認された。