株式会社Kaspersky Labs Japan(カスペルスキー)は4月12日、ロシアKasperskyが4月11日に公開したリリースの抄訳として、Kaspersky Labのエキスパートチームがサイバー犯罪組織による長期間におよぶサイバースパイ活動「Winnti」に関する詳細な分析レポートを発表したと紹介している。Winntiは2009年から現在までオンラインゲーム業界をターゲットに攻撃を続けており、攻撃の目的はソフトウェアベンダの署名付きの正規のデジタル証明書と、オンラインゲームのソースコードを含む知的財産を盗むことだという。Winntiグループの攻撃を分析する過程で、30社以上のゲーム制作会社が同グループによる攻撃を受けていたことが明らかになり、その大半は東南アジアのオンラインゲーム制作会社であった。また、ドイツ、米国、日本、中国、ロシア、ブラジル、ペルー、ベラルーシのオンラインゲーム制作会社も Winntiの被害を受けていた。さらに、同グループが不正な収入を得るために使用したと考えられる以下の3つの主な手口を発見した。・ユーザが貯めた現金化が可能な「ルーン」や「ゴールド」などのゲーム内通貨を不正に利用する。・オンラインゲームサーバから盗んだソースコードを分析してゲームに内在する脆弱性を探し出し、ユーザに気付かれることなくゲーム内通貨とその貯金を不正利用する。・人気のオンラインゲームのサーバから詐取したソースコードを利用して、自分たちの偽のサーバを展開する。Winntiグループは現在も活動中であり、Kaspersky Labは捜査を続けているという。