ソフォス株式会社は7月16日、今年で7回目となる年次報告書「ランサムウェアの現状2026年版」を発表した。
同報告書は、過去12ヶ月間にランサムウェアの被害を受けた組織のITおよびサイバーセキュリティ担当意思決定者2,158名を対象に、米国、ブラジル、チリ、コロンビア、メキシコ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、スイス、オーストラリア、インド、日本、シンガポール、南アフリカ、アラブ首長国連邦(UAE)の17ヶ国でインタビューを行った結果をまとめたもの。
同レポートによると、ランサムウェア被害者の3分の2(67%)が、自身のランサムウェアインシデントが最も重大なID侵害攻撃でもあったことを確認しており、ID侵害がランサムウェアの主要な配信手段であることが明らかになったとしている。
ランサムウェア攻撃の半数以上(56%)がデータの暗号化に成功しており、そのうち16%ではデータが暗号化されると同時に盗み出されていた。暗号化の成功率は2025年の50%から上昇しているが、ピークであった2023年の75%を下回る結果となった。
データが暗号化された場合、攻撃者が身代金を受け取る確率は50%で、データが暗号化された組織の48%が身代金を支払っていた。4年間の平均支払い率は50%であった。
小規模組織(従業員100~250人)のうち、暗号化や恐喝が行われる前に攻撃を阻止できたのはわずか34%にとどまり、46%の確率で攻撃を阻止した従業員3,001~5,000人の組織と比べ大幅に低い数値となった。
認証情報の漏えいがランサムウェア攻撃の根本原因となったインシデントの97%において、何らかの形で多要素認証(MFA)が導入されていたことから、MFAだけではランサムウェアを阻止するには不十分であり、適用範囲の不備がリスク要因となることが明らかになったと指摘している。
英国では、250万ドルという各国の中で過去最高となる身代金要求額の中央値が記録されている。
脅威アクターの手口が進化する中、組織は予防策の面で課題に直面しているものの、復旧能力の向上には著しい進展が見られ、組織の半数以上(55%)が1週間以内に復旧を果たしており、16%は1日未満で復旧していることが判明した。
対策の強化で、攻撃者が身代金要求を通じて金銭的利益を得る能力には影響が出ているものの、攻撃後の平均復旧コストは増加しており、現在では1件あたり170万ドルに達しているとのこと。
ソフォス 最高情報セキュリティ責任者(CISO)のRoss McKerchar氏は「組織は過去1年間でランサムウェアに対する耐性を強化しており、その投資は概ね成果を上げています。しかし、ランサムウェアは依然として組織に数百万の損失をもたらし続けています。 AIの能力が高まるにつれ、攻撃者は組織全体のID設定ミスや脆弱性を、以前よりもはるかに低コストかつ迅速に洗い出せるようになるでしょう。」とコメントしている。
