Samba の PIDL パーサの実装に起因するヒープオーバーフローの脆弱性(Scan Tech Report) | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2017.12.18(月)

Samba の PIDL パーサの実装に起因するヒープオーバーフローの脆弱性(Scan Tech Report)

脆弱性と脅威 エクスプロイト

1.概要
Samba の PIDL パーサにヒープオーバーフローを引き起こしてしまう脆弱性が報告されました。
リモートの第三者に利用された場合、Samba デーモンを不正に停止される、あるいはシステム上で不正な操作が実行される可能性があります。
この脆弱性は 2012/4 初旬に samba.org によって報告された少し古い問題となりますが、2012/9 末にコード投稿サイト pastebin.com に当該脆弱性の実証コード (PoC) が投稿され、その後 2012/10 初旬に Metasploit Framework にエクスプロイトコードとして実装されています。
脆弱性を悪用された場合、深刻な影響を受ける可能性があるため、脆弱性のある Samba バージョンを利用するユーザは可能な限り以下に記載する対策を実施することを推奨します。


2.深刻度(CVSS)
10.0
http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2012-1182&vector=%28AV%3AN/AC%3AL/Au%3AN/C%3AC/I%3AC/A%3AC%29


3.影響を受けるソフトウェア ※
Samba 3.0.37 以前 ※1
Samba 3.2.15 以前 ※1
Samba 3.3.16 以前 ※1
Samba 3.4.15 以前
Samba 3.5.13 以前
Samba 3.6.3 以前

※1 Samba 3.0.x/3.2.x/3.3.x は、既にサポート終了となっています。
※2 影響を受けるバージョンの Samba パッケージが含まれる CentOS, Debian,Mac OS, RHEL, Solaris, Ubuntu などの数多くの Linux ディストリビューションにおいても、この脆弱性の影響を受けます。


4.解説
Samba に実装される Perl-based DCE/RPC IDL (PIDL) パーサは、Perl で開発された Interactive Data Language (IDL) コンパイラであり、Samba サーバやクライアントなどで扱うリモートプロシージャコール (RPC) コードを生成します。

この Samba の PIDL パーサには、lsa_SetInfoPolicy/lsa_LookupNames または ndr_pull_dfs_Info3/ndr_pull_lsa_trustDomainInfoControllers などの 特定の RPC リクエストを処理する際に、配列サイズを適切にチェックせず、リクエストに含まれるパラメータでメモリ割り当てを行ってしまう不備があります。
このため、不正な当該 RPC リクエストを処理した場合に、ヒープオーバーフローが発生する脆弱性が存在します。

この脆弱性を利用することで、リモートの攻撃者は Samba デーモン (smbd)をクラッシュさせ、Samba サーバをサービス不能状態にする、あるいは root 権限で任意のコード実行が可能となります。


5.対策
以下の Web サイトより、Samba 3.4.16/3.5.14/3.6.4 以降を入手しアップデートする、またはそれぞれのバージョンにアップデート後、下記のパッチを入手し適用することで、この脆弱性を解消することが可能です。

Samba 3.4.16/3.5.14/3.6.4:
http://samba.org/samba/download/

* Samba 3.0.37 - samba-3.0.37-CVE-2012-1182.patch
* Samba 3.2.15 - samba-3.2.15-CVE-2012-1182.patch
* Samba 3.3.16 - samba-3.3.16-CVE-2012-1182.patch
* Samba 3.4.15 - samba-3.4.15-CVE-2012-1182.patch
* Samba 3.5.13 - samba-3.5.13-CVE-2012-1182.patch
* Samba 3.6.3 - samba-3.6.3-CVE-2012-1182.patch

Samba Security Releases:
http://www.samba.org/samba/history/security.html

あるいは、設定ファイル smb.conf において、"hosts allow" オプションを使用し、Samba サーバにアクセス可能なユーザを信頼できるユーザに制限することで、この脆弱性による影響を緩和することが可能です。


6.ソースコード
(Web非公開)

(執筆:株式会社ラック サイバー脅威分析センター

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Scan Tech Report
http://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html

《吉澤 亨史》

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