Microsoft Internet Explorer の CButton オブジェクトの取り扱いに起因する 0-Day エクスプロイト(Scan Tech Report) | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2017.10.23(月)

Microsoft Internet Explorer の CButton オブジェクトの取り扱いに起因する 0-Day エクスプロイト(Scan Tech Report)

脆弱性と脅威 エクスプロイト

1.概要
Microsoft Internet Explorer (IE) に解放済みメモリを使用してしてしまう0-Day の脆弱性が報告されました。
ユーザが悪質な Web ページを閲覧した場合に、リモートの第三者によってシステム上で不正な操作が実行される可能性があります。
この脆弱性は、FireEye 社が 2012/12/27 に当該脆弱性を悪用するコードが外交問題評議会 (CFR: Council on Foreign Relations) の Web サイトに埋め込まれていると公表し、急遽、Microsoft が 2012/12/29 にセキュリティアドバイザリを公開した問題です。
この脆弱性を悪用する攻撃が確認されており、攻撃を受ける可能性が高いことが考えられるため、影響を受けるバージョンの IE を利用するユーザは、Microsoft より解消パッチがリリースされるまでの間、可能な限り以下の回避策を実施し、今後の動向に注意することを推奨します。


2.深刻度(CVSS)
9.3
http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2012-4792&vector=%28AV%3AN/AC%3AM/Au%3AN/C%3AC/I%3AC/A%3AC%29


3.影響を受けるソフトウェア ※
Microsoft Internet Explorer 6
Microsoft Internet Explorer 7
Microsoft Internet Explorer 8


4.解説
Microsoft Internet Explorer (IE) の Microsoft HTML Viewer (mshtml.dll) は、HTML, Cascading Style Sheets (CSS), Document Object Model (DOM) などをパースおよびレンダリングする機能を提供するライブラリです。

IE の mshtml.dll には、CButton オブジェクトを操作する特定の Web ページをレンダリングする際に、CDoc オブジェクトへの参照を適切に削除せず、CButton オブジェクトをメモリ領域から解放してしまう不備があります。
このため、Web ページをリロードする際に、CDoc オブジェクトを介して解放済みの CButton オブジェクトが存在したメモリ領域を参照してしまう脆弱性が存在します。

この脆弱性を利用することで、リモートの攻撃者は、IE を実行するユーザの権限で任意のコード実行が可能となります。

なお、IE 9/10 は、この脆弱性の影響を受けません。また、Windows Server 2003, Server 2008, Server 2008 R2 上の IE においては、既定で、セキュリティ強化の構成と呼ばれる制限モードで実行されるため、脆弱性の影響は緩和されることが Microsoft より報告されています。

この問題は、ユーザが日常的に閲覧する正規の Web サイトを改ざんし、特定の脆弱性を悪用するコードを埋め込む "Watering Hole Attack" として利用されていることが、発見者の FireEye 社を含む Symantec, Trend Micro 社などによって報告されています。

FireEye CFR Watering Hole Attack Details
http://blog.fireeye.com/research/2012/12/council-foreign-relations-water-hole-attack-details.html
Internet Explorer Zero-Day Used in Watering Hole Attack: Q&A
http://www.symantec.com/connect/blogs/internet-explorer-zero-day-used-watering-hole-attack-qa
Why is the Watering Hole Technique Effective?
http://blog.trendmicro.com/trendlabs-security-intelligence/why-is-the-watering-hole-technique-effective/


5.対策
現時点 (2013/1/6) では、この脆弱性を解消する IE 用のパッチはリリースされていません。
このため、セキュリティアドバイザリ 2794220 の回避策項目を参考に、下記のいずれかの回避策を実施することで、この脆弱性による影響を緩和または回避することが可能です。

マイクロソフト セキュリティ アドバイザリ: 2794220
http://technet.microsoft.com/security/advisory/2794220

・Microsoft Fix it 50971 を適用する ※1
・Enhanced Mitigation Experience Toolkit (EMET) を使用する ※2
・IE 9/10 を利用する、または Mozilla Firefox, Google Chrome などの他のブラウザを利用する
・IE のインターネットおよびローカルイントラネットゾーンにおける ActiveX コントロールまたはアクティブスクリプトの実行を変更する

※1
Microsoft KB 2794220:
http://support.microsoft.com/kb/2794220
※2
Enhanced Mitigation Experience Toolkit:
http://support.microsoft.com/kb/2458544


6.ソースコード
(Web非公開)

(執筆:株式会社ラック サイバー脅威分析センター

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Scan Tech Report
http://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html

《吉澤 亨史》

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