警視庁は12月12日、いわゆる「遠隔操作ウイルス」真犯人に関する情報提供について発表した。これは2012年6月29日から9月10日にかけて、インターネット掲示板「2ちゃんねる」を利用して、第三者のPCを遠隔操作ウイルス「iesys.exe」に感染させるなどし、感染したPCから無差別殺人や航空機爆破等の犯罪予告を内容とする脅迫文を市役所などのWebサイトに投稿し、またメールで送信することにより、市役所や会社の業務が妨害されるなどの事件が連続して発生したもの。警視庁によると、犯人はウイルスを自分で作成するなど一定のプログラミング知識を有していると考えられ、また「2ちゃんねる」を常時利用していたと思われるほか、遠隔操作命令の送信には「livedoorしたらば掲示板」を使用していた。ウイルスの特徴では、タイマー機能など他の機能を持つソフトウェアを偽装しており、その中にウイルスが仕込まれていた。さらに、遠隔操作したPC内から遠隔操作の痕跡を消去するとともに、実際の犯行で用いられた脅迫文のデータを残しておくなどして、PCの使用者がさも犯人であるかのように偽装する仕組みになっていた。警視庁では犯人に関する情報(犯人を知っている、事件について噂話を聞いた)、「2ちゃんねる」に置かれたCSRFのリンクをクリックした、あるいは画面を保存した、「livedoorしたらば掲示板」の遠隔操作命令について掲示板を保存したなどの情報提供を呼びかけている。犯人に結びつく最も有力な情報を情報受付部署に提供した人には、上限額300万円の範囲内で捜査特別報奨金を支払うという。