GIMP の FITS プラグインにおける Null ポインタデリファレンスの脆弱性(Scan Tech Report) | ScanNetSecurity
2024.04.20(土)

GIMP の FITS プラグインにおける Null ポインタデリファレンスの脆弱性(Scan Tech Report)

GIMP の FITS プラグインに Null ポインタデリファレンスが発生する脆弱性が報告されました。

脆弱性と脅威 エクスプロイト
1.概要
GIMP の FITS プラグインに Null ポインタデリファレンスが発生する脆弱性が報告されました。
ユーザが GIMP で悪質な FITS ファイルを閲覧した場合、リモートの第三者によって GIMP を不正に停止される可能性があります。
影響を受けるバージョンの GIMP を利用する環境では、重大な影響を受ける可能性があるため、対象のユーザは可能な限り以下に記載する対策を実施することを推奨します。


2.深刻度(CVSS)
4.3
http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2012-3236&vector=%28AV%3AN/AC%3AM/Au%3AN/C%3AN/I%3AN/A%3AP%29


3.影響を受けるソフトウェア ※
GIMP 2.6.12 以前
GIMP 2.8.0

※影響を受けるバージョンの GIMP が含まれる、Linux ディストリビューションにおいても、この脆弱性の影響を受ける可能性があります。


4.解説
GIMP(GNU Image Manipulation Program)は、オープンソースで開発されている多彩な機能を備えたフリーの画像編集ソフトウェアであり、天文分野で使うことを目的として開発された FITS (Flexible Image Transport System ファイルをサポートしています。

GIMP の FITS プラグインには、fits_decode_header() 関数 (plug-ins/file-fits/fits-io.c) における Extension ヘッダ (XTENSION) のデコード処理に不備があるため、XTENSION に過度に長い文字列を指定した不正な FITS ファイルを処理した場合に、Null ポインタデリファレンスが発生する脆弱性が存在します。

この脆弱性を利用することで、リモートの攻撃者は、FITS プラグインをクラッシュさせ、結果として GIMP をサービス不能状態にする可能性があります。


5.対策
以下の Web サイトより GIMP 2.8.2 以降を入手しアップデートすることで、この脆弱性を解消することが可能です。
※なお、GIMP 2.8.1 においても、この脆弱性が解消されていますが、当該バージョンは、正式リリース外のバージョンとなっているため、正式なリリース版として入手することはできません。

GIMP 2.8.2:
http://www.gimp.org/downloads/


6.ソースコード
(Web非公開)

(執筆:株式会社ラック サイバー脅威分析センター

※Web非公開該当コンテンツ閲覧をご希望の方はScan Tech Reportにご登録(有料)下さい。

Scan Tech Report
http://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

Scan PREMIUM 会員限定記事

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定記事特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×