情報家電の位置情報に含まれるプライバシー情報を暗号化しつつ、外部サービスの利活用も可能にする技術を開発(富士通研究所) | ScanNetSecurity
2024.04.17(水)

情報家電の位置情報に含まれるプライバシー情報を暗号化しつつ、外部サービスの利活用も可能にする技術を開発(富士通研究所)

 富士通研究所は22日、センサーデータの収集から分析結果の利活用まで、プライバシーを保護する技術を開発したと発表、同技術の説明会を開催した。

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 富士通研究所は22日、センサーデータの収集から分析結果の利活用まで、プライバシーを保護する技術を開発したと発表、同技術の説明会を開催した。

 スマートフォンをはじめとする情報家電の位置情報など、センサーデータの利活用が増える一方、プライバシーの漏えいなど社会的な問題も発生している。今回、富士通が発表した技術は、センサーデータに含まれるプライバシー情報を暗号化しつつ、外部サービスの利活用も可能とするもの。

 富士通研究所ソフトウェアシステム研究所の原裕貴所長は「富士通でも、センサーデータを使ったビジネスを開始していますが、データの収集、分析、活用の中で、一番問題になるのがプライバシー。一例を示すと、スマートフォンのあるアプリが勝手に個人情報を集めて新聞紙面を賑わせたのはご存知の通り。あるいは、個別に見ると問題のないデータも、それを紐づけることで個人を特定できたり、行動パターンが判ってしまい、実際に泥棒に入られていたりします」。

 「こういったことが我々のリスクとなり、安心してお客様のデータを預かることができない状況から、ビッグデータを活用したビジネスも大きくならない。今回は、それらを解決できる技術が開発できたと思っている」と、ビッグデータを活用したのビジネスに重要な技術であるとした。

 同技術について、富士通研究所セキュアコンピューティング研究部の伊豆哲也主任研究員は「今回の開発技術と、以前に開発した情報ゲートウェイ技術を組み合わせることで、センサーデーターの収集、解析、活用までトータルでプライバシー保護を実現できます」と説明。同技術を活用したサービスについては、「電気、ガス、水道、エネルギーマネージメントシステムというものに適用ができ、あるいは、自動車の位置情報やブレーキ情報といった運行データから、危険地域分析などを行なうようなシステムにも適用できると考えています」との考えを示した。

 また、伊豆氏は、暗号化しないセンサーデータについて「通信路で暗号化していないと(データは)自由に見られてしまいます。そういった情報を収集して、蓄積して何かするということができてしまいます」などと、そのリスクについて語り、「サービスを提供する企業の方も情報は暗号化していないと信用されないという面がありますので“生データは持っていない”と言いたい企業のニーズはあると思います」と述べた。

 今後、拡大が見込まれるビックデータを活用したサービスについて、原所長は「我々がやっているエネルギー、交通、農業といったところでも、こういった問題があって、まだまだ大きなビジネスにはなっていない。しかし、今後はエネルギーなどは明らかに有望な市場だと思っています」とした。

ビッグデータビジネスのリスクを解決する……富士通研、センサーデータのプライバシー保護技術説明会

《椿山和雄@RBB TODAY》

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