海外における個人情報流出事件とその対応「標的は重要インフラ、狙われるSCADAシステム」(1)子どもでもSCADA侵入は可能 | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2017.12.19(火)

海外における個人情報流出事件とその対応「標的は重要インフラ、狙われるSCADAシステム」(1)子どもでもSCADA侵入は可能

国際 海外情報

●ロシアから米SCADAシステムを攻撃
11月18日、McAfee LabsのブログでDavid Marcusが「Is This SCADA Hacking Friday?(今日はSCADAハッキングの金曜日?)」との記事を書いている。米国のブラックフライデーを1週間後に控えて、SCADAハッキングが複数発生したことを重大視したと思われる内容。17日付けのCNET、Elinor Millsによるイリノイ州での事件と、18日付けの英国「thing」のGareth Halfacreeによる米国テキサス州サウスヒューストンでの重要インフラを管理するSCADAへの攻撃を受けてのものだ。

まず、イリノイ州での事件についてだが、Applied Control Solutionsのマネージング・パートナーであるJoe Weissがブログで、「先週、公共水道局のSCADAのハッキングが明らかにされた」と書いている。Applied Control Solutionsは約35年にわたり産業制御システムでリーダーシップを取っている企業だ。Weissによると、

・(SCADAハッキングがあったことを)州組織のひとつが発表した。ただし、飲料水、下水などのインフラへのリスクや保護情報を提供するWater ISAC、国土安全保障省(DHS)の重要とされているものの機密扱いされていない日報、制御システムのセキュリティを管轄するICS-CERTでは何も発表していない。そのためだろう。Weissが話したほかの水道事業体は、事態について認識がなかった。

・SCADAソフトウェアのベンダがハッキングに遭い、顧客のユーザ名とパスワードが盗まれている。

・攻撃者のIPアドレスの追跡でロシアまでたどり着いている。

・ほかの水道システムのSCADAユーザが攻撃を受けているかは分からない。

・SCADAシステムへのリモートアクセスで、2~3か月前に小さな問題が見つかった。

・SCADAシステムが電源をオン・オフされたことで、バーンアウトが起こった。

Millsが指摘しているとおり、ベンダがハッキングを受けたというが、水道事業体が攻撃を受けたのか、あるいはソフトウェアのベンダにおけるセキュリティ侵害なのか、明確にしていない。また、攻撃者の動機などについても触れていない。CNETではWeissをインタビューして、施設がイリノイ州のスプリングフィールドにあったことは確認している。

事件については、ITセキュリティの専門家、Brian Krebsもブログに書いている。Weissが州組織のひとつとしているのは、Illinois Statewide Terrorism & Intelligence Center(STIC)で、「Public Water District Cyber Intrusion」というタイトルのレポートを発表している。その10日付レポートの一部をWeissが入手して、事件について明らかにしたようだ。Krebsは、対象となったのがCurran-Gardner Public Water Districtで、11月8日に職員がSCADAシステムの問題に気付いたと述べている。外部からハッキングされていたというものだ。

重要インフラへの攻撃の可能性に、さまざまなメディアが事態を取り上げた。ロシアからの攻撃が示唆されていたことで、事実なら米国の産業システムへ攻撃として、知られている限りで初めての事例となる。国外から攻撃を受け、水道システムが影響を実際に受けたとすると一大事だ。

DHSのスポークスパーソンであるPeter Boogaardは、報道から数時間後に「DHSとFBIで調査を行っているが、現時点で影響を受けたという証拠は見つかっていない」という見解を発表した。水道システムに問題があったのは確かだが、それが外部からの攻撃とは認めていない。

●子どもでもSCADA侵入は可能?
次にHalfacreeによる記事だが、このBoogaardのコメントを読んだ、ハッカー“Pr0f”が、行ったものだ。Pr0fは発言について、DHSが国家のインフラの状態を重要視していないとして、「This is stupid(ばからしい)」とPastebinで書いている。Pastebinはテキスト共有サービスで、ハッカーが愛用している。

Pr0fは自分の主張が正しいことを証明するため、サウスヒューストンの給水システムを管理するSCADAにアクセスして得た画像を、Pastebinに発表した。“思慮のない破壊行為”は好まないとして、実際に機械にダメージを与えることはないが、SCADAの画像を獲得することは…

※本記事は有料購読会員に全文を配信しました

(バンクーバー新報 西川桂子)
《吉澤 亨史》

関連記事

Scan PREMIUM 会員限定記事

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定記事特集をもっと見る

Scan BASIC 会員限定記事

もっと見る

Scan BASIC 会員限定記事特集をもっと見る

[Web小説] サイバー探偵 工藤伸治の事件簿サーガ (シーズン 1~6 第1話)

もっと見る

[Web小説] サイバー探偵 工藤伸治の事件簿サーガ (シーズン 1~6 第1話)特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

国際 カテゴリの人気記事 MONTHLY ランキング

  1. ロシアが中印らと独自インターネット構築か、グローバルDNS分裂の危機を追う(The Register)

    ロシアが中印らと独自インターネット構築か、グローバルDNS分裂の危機を追う(The Register)

  2. 米軍のSNSに対する膨大なスパイアーカイブ、AWS で数十テラ閲覧可(The Register)

    米軍のSNSに対する膨大なスパイアーカイブ、AWS で数十テラ閲覧可(The Register)

  3. どこかへ跳んでいけ、出来の悪いラビット(The Register)

    どこかへ跳んでいけ、出来の悪いラビット(The Register)

  4. 死亡した男性のメールアカウントを巡るヤフーと裁判所の争い(The Register)

  5. 捜査中だった米大統領選に使用されたサーバのデータが消失(The Register)

  6. 「Tor 禁止令」を解く Facebook、暗号化の onion アクセスポイントを宣伝~これからは暗号化通信も完全に OK(The Register)

  7. 日本, EU, シンガポール他各国の個人情報保護法令比較、GDPRは

  8. Anonymousが幼児虐待の秘密の拠点を閉鎖~Tor小児愛者を攻撃し氏名を暴露(The Register)

  9. インドのレジストリで情報漏えい、インドのネットを壊滅させるデータのビットコイン価格とは(The Register)

  10. Mac OS X のシングルユーザモードの root アクセス(2)

全カテゴリランキング

★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★
<b>★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★</b>

経営課題としてサイバーセキュリティに取り組む情報システム部門や、研究・開発・経営企画に携わる方へ向けた、創刊19年のセキュリティ情報サービス Scan PREMIUM を、貴社の事業リスク低減のためにご活用ください。

×