株式会社Kaspersky Labs Japan(カスペルスキー)は12月8日、ロシアKasperskyが11月3日に公開したリリースの抄訳として、2011年度第3四半期の「スパムレポート」を発表した。レポートによると、本四半期にはスパムトラフィック内の詐欺メールの割合が第2四半期の0.1%から2%と20倍に増加した。また、全メールトラフィックにおけるフィッシングメールの割合は、ごくわずか増加し0.03%となった。詐欺メールで使用されるソーシャルエンジニアリング手法は多様化が進んでおり、特に謝礼金付きのアンケートへの協力依頼など、詐欺メールをきっかけとして最終的にクレジットカード情報を盗み出すなど、複数の段階を経る攻撃が一般的になりつつある。フィッシング攻撃では、対象となった組織ランキングでFacebookへの攻撃の割合が5ポイント増加し、5位から3位に上昇した。一方で今期初めて、トップ10圏内にランクインした銀行が2行のみとなった。また第3四半期には、全体のスパム量は減少しているものの、悪性ファイルを含むスパムが一段と増加、不安を煽るタイトルに一見暗号化されたような本文といったメールに悪性ファイルが添付されたケースが多く見られた。スパマー達が検知から逃れるために、依然としてGoogleのクラウドサービスを積極的に利用していることも特徴に挙げている。