海外における個人情報流出事件とその対応 第224回 ウェブで活動舞台を移す政治や社会運動家 (1)ラトビアのロビンフッドはハックティビスト | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2018.05.20(日)

海外における個人情報流出事件とその対応 第224回 ウェブで活動舞台を移す政治や社会運動家 (1)ラトビアのロビンフッドはハックティビスト

国際 海外情報

政治的、あるいは社会的な目的でハッキングを行うハックティビズム。20世紀後半から世界各地で確認されていて、ハッキングを活動のツールと用いるのが特徴だ。国家や組織のウェブサイトにDoS攻撃を仕掛けたり、あるいはウェブページを改ざんして落書きを残して行ったり、政治的な意見を書いたスパムメールを送る、バーチャル座り込みなど、さまざまな形式でのハックティビズム活動が行われている。そして、その数は増加傾向にあるという。

●ラトビアのロビンフッドはハックティビスト

最近、世界的に話題になったハックティビズムは、バルト三国の一カ国である、ラトビアが舞台だ。大物政治家や高額所得者の納税額などの情報を不正に取得して、インターネット上で発表していたコンピュータ科学の研究員が逮捕された。この研究員は、ラトビア大学数学・情報科学機関(Institute of Mathematics and Information Sciences) のAl 研究所に所属していた、Ilmars Poikansという男性で31歳だ。

ラトビアは2008年のリーマンショックに端を発する世界的な金融危機で大きな影響を受けた。この春、ギリシャ財政危機が欧州を中心に世界経済を揺るがせているが、欧州で問題となったのはラトビアが先だ。

欧州などからの投資が活発で、2000年ごろから欧州で最も高い成長率を記録するなど、バブル景気に沸いていたが、2009年の夏に発行された国債が入札ゼロという異常事態となり、デフォルトの懸念も生まれた。2008年12月に7%を記録した失業率は、2009年12月にはさらに悪化して22.8%を記録。ラトビア政府が世界通貨基金(IMF)と欧州連合に対して、75億ユーロの緊急救済融資を申し込む事態となった。当然、国内でも対策を迫られ、議会は財政緊縮策を採択。財政健全化を目指すことを約束していた。財政健全化のために、公務員の減給やボーナス廃止、公務員の数を見直す、学校や病院の閉鎖などの策が取られ、国民の生活も大きな影響を受けてきた。

●ネット上で明らかになった緊縮財政での私利確保

このような状況下、一部の地位にある人たちは、依然、バブル当時と同じような収入を確保していることを、Poikansは今年の2月ごろから、Twitterで明らかにしていた。2009年夏に納税者の情報のデータベース、State Revenue Service(ラトビアの国税庁の電子申請システム(EDS))で不正に情報を獲得。これは基本的なセキュリティ上の抜け道を見つけたためで、数百万件という大量の文書をダウンロードしていた。

Poikansは研究員の職にあったが、一方でさまざまな事業にも関わっていて、会計士にEDSにある文書に電子的に署名するよう求められた。逮捕されてからのメディアからのインタビューで、会計士が見ることができるオンライン上のファイルに、自分はアクセスできなかった。そのために、文書のアドレスを

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(バンクーバー新報 西川桂子)
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