●あいまいなATM犯罪の現状 5月7日、FTCがATM使用に関する緊急テクノロジーについての報告書、Report On Emergency Technology for Use With ATMsを発表した。その中で、正確なデータは存在しないものの、米国でのATMに関する犯罪は年間3,000件から5,500件の間だと報告されている。利用件数と比べると、少ないと言ってよいだろう。また、その数は減少傾向にあるという。
一方、2009年9月、欧州の情報セキュリティの監視機関、ENISA (European Network and Information Security Agency) が、欧州における年間のATMでの損失は約5億ユーロ(約582億円)で、前年比にして149%増としている。そして、攻撃の高度化についても指摘されている。
やはり2009年の7月には、Black Hat Security Conferenceで予定されていた、ATMのハッキングについてのプレゼンテーションがキャンセルになっている。プレゼンテーションを行う予定だったのは、ネットワーキングの会社、Juniperの研究員、Barnaby Jackで、金融機関やセキュリティに関わる人の注目を集めていた。しかし、ATM機械のメーカーの圧力を受けて、実現しなかった。