スパム対策のアプライアンスで広く知られるBarracuda Networks社のCEOであるDean Drako 氏が新製品の発表準備のために来日した。Scan編集部は6月12日、同氏へのインタビューを実施、新製品であるIPS機能を持つロードバランサー「Barracuda Load Balancer」の概要や、あわせて最新のスパム動向とその対策の現状などを聞いた。バラクーダネットワークスジャパン株式会社http://www.barracudanetworks.com/ns/──>>もはや日米のスパム対策市場は規模の違いだけScan編集部では2年前、バラクーダネットワークス社が日本市場に参入した直後にインタビューを実施している。世界市場が認めたアンチスパムベンダーが日本市場に本格参入「バラクーダネットワークス」の日本市場における戦略に迫る 第1回https://www.netsecurity.ne.jp/3_4761.html世界市場が認めたアンチスパムベンダーが日本市場に本格参入「バラクーダネットワークス」の日本市場における戦略に迫る 第2回https://www.netsecurity.ne.jp/3_4864.htmlDean Drako 氏によれば、「2年前は、日本とアメリカで、スパムの蔓延度合や対策の普及状況に大きな差があったが、現在は規模の違いは別として、市場はほとんど同じ状況だ」と語る。これまでランゲージバリアに守られていたと言われていた日本のスパム被害も米国並みになっているようだ。2005年の取材当時2名だった同社日本スタッフだが、現在は6名のスタッフを擁し、現在積極的に採用活動を行い、人員の増強を図っているという。「すでに2年前から、アンチスパム市場は頭打ちと言われているが、業績はここ3年間ずっと伸びており、スパム対策の重要性は変わらない」という。>>送信者偽装対策はレピュテーションサービスでは不十分Drako 氏は最新のアンチスパム対策事情に触れて、送信者偽装の問題が今後重要度を増してくると語った。送り主が正しいかどうかをハッキリさせることが今後のスパム対策の焦点となっていくという。それによれば、現在広く用いられている、スパム送信者情報を収集しデータベース化したレピュテーションサービスには限界があるという。レピュテーション(評判)は、送信者のIPアドレスの情報と、記載されたURLのドメイン情報をもとに判断される。しかし、IPアドレス情報は、1日目はドイツ、2日目は重慶といった、ボットネットを使ったと思われる世界各地から送信されるスパムメールが増えており有効性が低下している。一方URLも、スパマーがジオシティなどの健全なフリーサービス等を隠れ蓑にしてリダイレクトさせる巧妙な手法が増えているという。バラクーダネットでは、この対策として、「多段インテント解析」というリダイレクト先のサイトまでチェックする手法や、振る舞いに基づくプロファイリングを複数階層にわたって実施しているという。