●患者データのラップトップ保管ビューモント病院の事件では、ラップトップに保管されていたデータは過去3年間のものだ。そのため、盗難による情報漏洩の被害者で、特に最近、利用していない市民は、「なぜ、古いデータまで、危険の大きいラップトップに保管されていたのか」と、疑問の声が上がっていた。医療記録が入っていたことも、関係者に恐怖を与えた。これは、患者の状態がわかるためで、『Detroit News』では、45歳の息子の情報がラップトップに入っていた女性の話を紹介している。男性は、糖尿病合併症に苦しんでいて、血管のバイパス手術、腎移植などの治療を受けていた。また、細菌感染により、壊疽を起こしたため、下肢を切断している。病院の発表では、住所もデータに含まれているため、男性が障害を持つことを知って、身の安全に関わる事件に巻き込まれないか心配だと『Detroit News』に語った。個人情報盗難も心配だが、障害を持つ、あるいは病気に苦しむ患者にとって、このような極秘情報が、患者を守るべき病院から洩れるということは由々しき問題だと言われても当然だろう。事件報道後2日の時点で、病院に連絡してきた患者数は1200人を超えた。電話による問い合わせなどが殺到して、回線がパンクしていたというから、実際の数字はもっと多かったと考えられる。レセプトの電子化、電子カルテなど、医療の世界にも情報化の波が押し寄せている。医療機関側では、情報化により、効率を上げ、且つ、より良い医療を提供できるし、さらにコスト削減にもつながることで、積極的に取り組んでいる。しかし、情報化では、セキュリティ強化も大切な課題となる。電子化でセキュリティ上のリスクが拡大しているため、同時に体制を整えていかないと、大きな問題に発展する恐れもある。病院のネットワークへのハッキングも心配だが、最も危険なのは…【執筆:バンクーバー新報 西川桂子】──この記事には続きがあります。全文はScan Security Management本誌をご覧ください。◎有料版Scan申込> http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m02_ssm