【目に見えない脅威が拡大している】●事件は減っていない 見えなくなっただけという視点その流れを象徴するかのように「見えない脅威」が深刻化してきている。昔のように経済的な収入に結びつかないウイルスなどよりもスパイウェアやフィッシング、ボットといった経済行為に結びつけやすいもの、それもできるだけ「見えない脅威」=被害者自身が気づきにくいものへとシフトしてきている。こうした攻撃の理想は利用者がまったく気がつかず、各種セキュリティソフトにも検知されない状態である。例えば、クレジットカードを毎月数万円も利用している人間が千円くらい請求額が増えていても気がつかないことの方が多いだろう。毎月千人から千円を奪えば、百万円である。かつてのNimdaなどのように、わかりやすい「見える脅威」が減った分、「見えない脅威」は深く静かに広がっている危険がある。時折発表されるボットネットのレポートやたまに逮捕される犯罪者の犯罪の内容がそれを示唆している。●こどもと素人しか捕まえられないことが事態の深刻化を物語るある時期からネットがらみの犯罪で専門知識と経験を持つ人間が逮捕されることがなくなった。そのかわりに、こどもや素人は時々捕まる。つい先日もこどもが捕まった。05月31日 ハンゲームを騙るフィッシング詐欺が発生、中学生を書類送検https://www.netsecurity.ne.jp/1_6806.htmlネット犯罪の低年齢化が進んだというよりは、こどもと素人しか逮捕できなくなったという方が正しいだろう。【執筆:疋田文五郎】セキュリティ関連の検証、取材などを行うフリーライター。BUGTRAQやFull Disclosure などへの脆弱性報告なども行っている。(この記事には続きがあります。続きはScan本誌をご覧ください)http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m-sc_netsec