企業側では消費者への啓蒙教育などに努め、“成功率”が下がっているようだが、Anti Phishing Working Groupが発表したフィッシングのトレンドレポートによると、今度はより複雑で高度な手段を使った犯行が増えている。次にこれらの手口を見てみたい。
●一気に多数の被害が出るファーミング
フィッシングは、e-mailをルアー、インターネットユーザを海に例え、パスワードなど個人情報やオンラインバンキングといった金融情報を釣り上げる(fish)として生まれた言葉だが、ファーミング(Pharming)はFarmingをもじったもの。農業スタイル、すなわち大量に育てて、刈り取ってしまう。つまり、インターネットで、あるウェブサイトに接続しようというユーザのグループを、知らないうちに偽サイトに誘導して、個人情報を奪う。警告が増えたのは比較的最近だが、Anti Phishing Working Groupでは昨年、フィッシングにくわえて、ファーミングも撲滅活動の対象に加えた。