米国赤十字の女子職員が、献血者の個人情報盗難により共犯者2名とともに、12月3日告訴された。 この職員はニュージャージー州コリンウッドの赤十字、データ入力を担当するダニエル・ベイカー(33歳)。2002年から2003年にかけて、約40名の献血者の氏名、住所、生年月日、社会保険番号、電話番号、雇用主などの個人情報を盗難。そして共犯のハロルド・マッコイIII(33歳)およびカリン・ロング(36歳)とともに、小切手偽造や銀行からの貸付を受けた。被害を受けたのは、企業献血、つまり企業で献血を行った従業員などで、総額は約26万8000ドル分というのが検察の発表だ。 被告グループは、給与が高いと貸付を受けやすいことから、給与水準の高い企業に照準を合わせて犯行を行っていた。ニュージャージー州では企業などの間で献血者の情報が盗難されているという噂が広がっていて、多くが企業献血を停止。結果、赤十字は他州から血液を買わなければならず、約45万5000ドルの損害を受けていた。 赤十字のスポークスパーソンによると、支部レベルでは献血者の個人情報を保管していないが、表彰などの目的で氏名や住所といった情報を受け取ることはあるという。また、献血者カードは社会保険番号ではなく赤十字独自のID番号を使用しており、献血者の情報は入力の後はシュレッダーを用いて破棄。コンピュータの記録へのアクセスができる職員は限定されている。さらに、全ての赤十字職員は秘密保持契約書に署名するようになっている。【執筆:バンクーバー新報 西川桂子】(この記事には続きがあります。続きはScan本誌をご覧ください)http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m-sc_netsec