高校中退者のAbraham Abdallah容疑者(23歳)がインターネットを利用して、有名人やForbes誌の裕福な米国人リストに掲載されている人物の金融個人情報にアクセスし、多額な金を盗み取ろうとした容疑で逮捕された。同容疑者は、有名人(スティーブン・スピルバーグ氏、ジョージ・ルーカス氏、テッド・ターナー氏、マイケル・ブルームバーグ氏など)の銀行口座やクレジットカード番号そして投資口座などを窃取した疑いが持たれており、被害者数は200名を上回ると見られている。しかし、Forbes誌で1位にランクされたビル・ゲイツ氏はその中に入っていなかった。 ニューヨーク市警本部(NYPD)によると、同容疑者は地元の図書館にあるコンピュータやウェブ対応の携帯電話、またボイスメールなどを利用して約6ヶ月にわたり詐欺行為を働いた。犯行発覚の契機となったのは、Siebel Systems社の創始者Thomas Siebel氏のメリルリンチにある口座から1000万ドルの振替を同容疑者が電子メールで請求したことだった。そして、直接逮捕に繋がったのは、同容疑者に宛てられたクレジットカード製造器(2万5000ドル相当)入りの小包だった。警察がその小包を途中で押さえ、宅配便の従業員を装った刑事が同容疑者の元に出向いて逮捕した。NYPDコンピュータ捜査班のMichael Fabozzi刑事は「私が担当した事件のなかで一番、巧妙な手口だ。こんな凄腕は、そういないだろう」と述べた。 同容疑者は、全ての容疑を否認している。尚、当局によると、同容疑者には前科があり、18歳の時にクレジットカードおよび銀行詐欺罪で禁固刑の有罪判決を受けている。