オーストラリア連邦議会は先週、「つながらない権利」の法制化を可決した。それは雇用主から従業員への勤務時間外の連絡を禁止するもので、違反した上司には懲役を含む罰則が科される。
刑事罰は近々廃止されるだろう。刑事罰については、政府の意向というよりは連邦議会のまやかしであり、野党や業界団体の狙い通りになれば、法律も全面的に廃止されるかもしれない。
ヨーロッパでは、デジタル端末による就業時間とプライベートの時間の境界の曖昧化への対応として、すでに「つながらない権利」を法制化し、企業はそれを導入している。雇用主から提供されるノートパソコンや携帯電話は明らかに就業時間外に使用されているが、平均的な労働者も、時を選ばず上司からのメールやテキストメッセージを閲覧しており、その返信を期待されることもある。労働者の権利団体は、その期待こそがサービス残業の原因だと主張する。
「つながらない権利」の法制化は、「仕事のメッセージを読む、またはそれに返信しない権利」の法制化と呼ぶべきかもしれない。この法律はその権利の保障を求めるものだからである。