研究者によれば 7 万以上の合法と思われるウェブサイトが乗っ取られ、犯罪者がこれを自らのネットワークに組み込みマルウェアの配布やフィッシングページ配信、その他あらゆる種類の脅威のばらまきに利用しているという。
攻撃被害を受けたサイトから成るこのネットワークは「VexTrio」と呼ばれ、2017 年(あるいはそれ以前)の誕生以来、ほぼ水面下で活動していたが、最近になってその活動の詳細が浮かび上がってきた。
活動の方法は簡単で、ネットユーザーを興味関心などに基づき特定のサイトに誘導するのにマーケティング分野で使われているトラフィック分配システム(TDS)をそのまま真似たものだ。
VexTrio は、何万ものウェブサイトに入り込み、当該サイトの閲覧者を特定のページに誘導する。マルウェアをダウンロードさせたり、認証情報を盗むため偽のログインページが表示されていたり、閲覧者をその他の詐欺やサイバー犯罪に巻き込んだりするページである。
ネットワークには、少なくとも 60 のメンバー組織が何らかの形で関与していると言われる。まずある組織がウェブサイトに入り込み、このウェブサイトをネットワークに提供する。そこから VexTrio 独自の TDS インフラに、被害を与えようとする閲覧者を通知する。すると、TDS はこの閲覧者を有害ページに誘導する。通常 TDS は、特定の条件を満たす者だけを有害ページに誘導する。