独立行政法人情報処理推進機構(IPA)および一般社団法人JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)は11月2日、Apache Tomcatにおける無効なHTTPヘッダの取り扱いに関する問題について「Japan Vulnerability Notes(JVN)」で発表した。影響を受けるシステムは以下の通り。
・Apache Tomcat 10.1.0-M1から10.1.0までのバージョン
・Apache Tomcat 10.0.0-M1から10.0.26までのバージョン
・Apache Tomcat 9.0.0-M1から9.0.67までのバージョン
・Apache Tomcat 8.5.0から8.5.82までのバージョン
Apache Tomcatにて“rejectIllegalHeader”を“false”(8.5系だけは初期設定)とし、無効なHTTPヘッダを無視する設定としている場合、Tomcatは無効なContent-Lengthヘッダを含むリクエストであっても拒否しないという問題(CVE-2022-42252)が存在する。
Tomcatは不正なヘッダを含むリクエストを拒否しないため、Tomcatをリバースプロキシの背後に配備している場合、リクエストスマグリング攻撃が行われる可能性がある。
Apacheでは、本脆弱性を解消した次のバージョンを公開している。
・Apache Tomcat 10.1.1およびそれ以降
・Apache Tomcat 10.0.27およびそれ以降
・Apache Tomcat 9.0.68およびそれ以降
・Apache Tomcat 8.5.83およびそれ以降
JVNでは、開発者が提供する情報をもとに、最新バージョンにアップデートするよう呼びかけている。なお、“rejectIllegalHeader”を“true”に設定することでも脆弱性の影響を軽減できるとしている。