世界中の警察官が考える現在/未来の脅威「インターポール世界犯罪動向2022」公表 | ScanNetSecurity
2024.03.29(金)

世界中の警察官が考える現在/未来の脅威「インターポール世界犯罪動向2022」公表

 インターポール(国際刑事警察機構)は現地時間10月19日、第1回「世界犯罪動向」報告書を公表した。

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 インターポール(国際刑事警察機構)は現地時間10月19日、第1回「世界犯罪動向」報告書を公表した。

 同報告書は、インターポールの加盟195ヶ国の法執行機関から寄せられたデータと分析結果をまとめたもので、いわば世界の警察官が考える犯罪情勢レポートである。10月18日から21日にニューデリーで開催された第90回インターポール総会で発表された。

 同報告書によると、回答者の67%がマネーロンダリングを「現在の犯罪脅威」の第1位とし、次いで第2位の脅威として66%がランサムウェアを挙げている。 

 また回答者の62%がOCSEA(Online Child Sexual Exploitation and Aabuse:オンライン上の児童の性的搾取及び虐待)が今後増加すると予測し、「将来の犯罪脅威」の第3位にランクされた。

 同報告書で、世界を5地域別に分析した結果、すべての地域で上位にランクインしている犯罪脅威がある一方で、地域や国の要因によって異なるものもあることが判明した。地域ごとの傾向は下記の通り。

・アフリカ
 フィッシングやオンライン詐欺が現在の最大の脅威(83%)であると同時に、今後3年から5年の間に最も増加する可能性の高い犯罪(72%)であると考えられる。アフリカ諸国では、モバイルマネー取引と金融分野のデジタル化が急成長した副産物として、オンラインバンキング詐欺、クレジットカード詐欺、暗号通貨詐欺が急増している。

・アメリカ大陸とカリブ海地域
 ランサムウェア(84%)やOCSEA(オンライン上の児童の性的搾取及び虐待)(83%)を差し置いて、不正な銃器売買が犯罪の脅威のトップ(88%)となった。法執行機関が将来の脅威として認識している犯罪のトップはサイバー犯罪で、オンライン詐欺、ランサムウェア、ビジネスメールの漏えいなどが60%以上の回答者から挙げられている。

・アジア・太平洋地域(APAC)
 金融犯罪が最大の脅威と考えられ、特に金融詐欺(76%)、マネーロンダリング(67%)と並び、合成麻薬の売買(67%)が挙げられている。ランサムウェア、フィッシング攻撃、ビジネスメールの漏えい、個人情報の盗難、オンライン恐喝などのサイバー脅威も、法執行機関の回答者の67%が将来的に増加または著しく増加すると予想している。

・ヨーロッパ
 現在の脅威のトップ3として、フィッシングやオンライン詐欺(62%)、マネーロンダリング(60%)、合成麻薬の密売(57%)と回答している。回答者の76%が、今後3年から5年の間にOCSEAが増加するか、大幅に増加すると予想している。

・中東・北アフリカ地域(MENA)
 回答者の89%が、最大の犯罪脅威として前駆体麻薬の取引を挙げ、近い将来に最も増加する可能性が高いと回答している。コンピュータへの侵入、フィッシング攻撃、ランサムウェアなどのサイバー犯罪も、現在(78%)および将来(89%)の犯罪脅威の上位にランクされている。

《ScanNetSecurity》

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