しかし、いったん情報セキュリティの仕事に就くと、女性はしばしば出世のハシゴを上ろうとするときに、男性の方が昇進しやすい「壊れた横木」があることに気づく。これは、最高レベルの経営層に到達するまでずっと続く。サイバーセキュリティの分野ではそもそも女性の数が少ないため、特に目立つのだ。
「そういう人たちを支援し、擁護するのは、人間として本質的なことです」と、ベイリーは言う。
「もし、自分のような人が、経営層に至るまで上の役職のどこにもいないとしたら、孤独を感じ、出世について絶望的な気持ちになるかもしれません。また、擁護者を見つけるのに同僚の男性よりも苦労したり、帰属意識や支援されているという意識を持てず、悩んだりするかもしれません。
さらに、ベイリーはこのように付け加えた。「女性は同レベルの男性に比べ、昇進につながらないような仕事もたくさん引き受けています。これらのことが一度に重なると、離職が相次ぐ最悪の事態となるのです」
「Executive Women's Forum」や「Women In Cybersecurity(WiCys)」など、一部の全業界的な組織がこれらの問題に取り組んでおり、業界団体も、この分野全体で多様な雇用と定着を増やすための取り組みを開発してきた。