OpenSSLに複数の脆弱性 | ScanNetSecurity
2024.07.27(土)

OpenSSLに複数の脆弱性

 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)および一般社団法人JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)は5月6日、OpenSSLにおける複数の脆弱性について「Japan Vulnerability Notes(JVN)」で発表した。影響を受けるシステムは以下の通り。

脆弱性と脅威

 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)および一般社団法人JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)は5月6日、OpenSSLにおける複数の脆弱性について「Japan Vulnerability Notes(JVN)」で発表した。影響を受けるシステムは以下の通り。

・CVE-2022-1292
OpenSSL 1.0.2zeより前のバージョン
OpenSSL 1.1.1oより前のバージョン
OpenSSL 3.0.3より前のバージョン

・CVE-2022-1343、CVE-2022-1434、CVE-2022-1473
OpenSSL 3.0.3より前のバージョン

 OpenSSLに存在する脆弱性と想定される影響は下記の通り。

・c_rehashスクリプトにおけるコマンドインジェクション(CVE-2022-1292)
一部のオペレーションシステムにて自動実行されるc_rehashスクリプトは、シェルのメタ文字を適切にサニタイズしない。
→攻撃者によって、c_rehashスクリプトの権限で任意のコマンドを実行される

・OCSP_basic_verifyにおける不適切な証明書検証(CVE-2022-1343)
OCSP_basic_verifyが、(初期設定とは異なる)フラグ「OCSP_NOCHECKS」が設定されている環境で、署名証明書検証に失敗した場合でも、検証成功の応答を返す。
→コマンドラインのOpenSSL「ocsp」アプリケーションで、ocsp応答の検証時に「-no_cert_checks」オプションが設定されている、またはOCSP_basic_verifyでフラグ「OCSP_NOCHECKS」を設定している場合に、検証が失敗した場合でも成功の応答となる

・RC4-MD5暗号スイートで使用されているMACキーが不正(CVE-2022-1434)
RC4-MD5暗号スイート(OpenSSL 3.0の初期状態では使用されない)のOpenSSL3.0実装は、AADデータをMACキーとして誤って使用するため、MACキーを簡単に予測できる。
→ man-in-the-middle攻撃によって、MAC整合性チェックが正しいと判断されるようにデータが書き換えられる

・証明書または鍵をデコードする際のリソースリーク(CVE-2022-1473)
証明書または鍵をデコードする際にハッシュテーブルを空にするために利用されるOPENSSL_LH_flush()関数には、削除されたハッシュテーブルエントリによって占有されていたメモリを再利用しないバグがあり、メモリ使用量が際限なく拡大する。
→メモリ使用量が際限なく拡大し、オペレーティングシステムによってプロセスが終了され、サービス運用妨害(DoS)状態にされる

 JVNでは、開発者が提供する情報をもとに、最新版へアップデートするよう呼びかけている。

《ScanNetSecurity》

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