独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は2月28日、「コンピュータウイルス・不正アクセスの届出事例[2021年下半期(7月~12月)]」を公開した。IPAでは国内のコンピュータウイルスの感染被害やコンピュータ不正アクセス被害の届出を受け付けており、被害の分析や、集計情報、事例情報として公表を行っている。
届出事例はPDF83ページとなる資料で、2021年下半期の届出から主な事例を125件取り上げ、次の5種に分類し、詳細な被害概要を掲載している。
・コンピュータウイルスの検知・感染被害:7件
・身代金を要求するサイバー攻撃の被害:33件
・脆弱性や設定不備を悪用された不正アクセス:41件
・IDとパスワードによる認証を突破された不正アクセス:28件
・その他:16件
IPAでは、届出のあった被害の全体を通して「IDとパスワードによる認証を突破された不正アクセス」や「脆弱性や設定不備を悪用された不正アクセス」など、一般的によく知られたセキュリティ施策を実施していれば被害を防げたと思われるものが多かったとしている。
また同資料では、侵入型ランサムウェア攻撃の被害事例として、具体的な攻撃の流れを例示し、その事例として「VPN 装置経由の侵入後に LockBit2.0 へ感染させられた被害」「Active Directory やバックアップ用サーバが侵害された被害」「複数のシステムで共通の認証情報が悪用された被害」の3件について詳説している。
その他、Movable Type の脆弱性を悪用した攻撃による被害事例、SQL インジェクション攻撃により顧客情報が流出した被害事例についても詳説している。