見えないメモリ「対フォレンジックマルウェア」とは | ScanNetSecurity
2024.07.27(土)

見えないメモリ「対フォレンジックマルウェア」とは

マルウェアの中には、攻撃検知を回避するため、実行中のプロセスメモリを悪用して悪意のあるコードを実行するものがある。これがやっかいなのは、メモリは、そのアプリケーションやプロセスが終了すると、その領域は開放され再利用されて痕跡が残らないことだ。

研修・セミナー・カンファレンス
MSA改ざんの概要
  • MSA改ざんの概要
  • 偽装PTEのしくみ
  • PTEをゼロクリアすると、確保した領域のステルス化が可能
  • 共有メモリに悪性コードを埋め込む
  • BHUSA2020 対フォレンジックマルウェア
  • MSA改ざんはコマンドや解析ツールでは発見しにくい
  • BHUSA2020 対フォレンジックマルウェア
  • BHUSA2020 対フォレンジックマルウェア
 本稿は「2021年 年末蔵出し企画」として、ScanNetSecurity編集部が過去取材した多数の素材の中から、まだ未掲載となっていた選りすぐりの記事をピックアップしてお届けします。

 マルウェアの中には、攻撃検知を回避するため、実行中のプロセスメモリを悪用してコードを実行するものがある。これがやっかいなのは、メモリは、そのアプリケーションやプロセスが終了すると、その領域は開放され再利用されて痕跡が残らないことだ。

 これに対抗するため、実行中または特定のプロセスイメージ(メモリのスナップショット)や異常・強制終了時のコアダンプを解析する手法がある。プロセスメモリを解析してマルウェアや悪意のある動作を検知するソリューションやフォレンジック手法が存在する。

 プロセスメモリに悪意を忍ばせるしくみはどうなっているのか。また、それはどうやって検知できるのか。対フォレンジックマルウェアとの攻防について、フリードリヒ アレクサンドラ大学( FAU )の研究グループによるレポートを元に紹介する。レポートは、Black Hat USA 2020 で発表されたものだ。

●仮想メモリ管理の概要

 現在の OS はマルチタスク(プロセス)が原則である。膨大なメモリ空間を持っているとはいえ、多数のプロセスを並行して実行させるため、ページングという仮想メモリ技術によって物理メモリを管理している。各プロセスは、専用の目盛り空間(一般にサイズは固定)を持ち、OS のプロセススケジューリング機能によって、実行時に実メモリに配置され CPU を利用する。このとき配置される実メモリ空間がページと呼ばれる領域で管理される。
《中尾 真二( Shinji Nakao )》

編集部おすすめの記事

特集

研修・セミナー・カンファレンス アクセスランキング

  1. ハッカーの OSINT 活用法 ~ 日本ハッカー協会 杉浦氏講演

    ハッカーの OSINT 活用法 ~ 日本ハッカー協会 杉浦氏講演

  2. FFRI 鵜飼裕司の Black Hat USA 2018 注目 Briefings(1)日本はグローバルセキュリティ業界のインナーサークルにいない

    FFRI 鵜飼裕司の Black Hat USA 2018 注目 Briefings(1)日本はグローバルセキュリティ業界のインナーサークルにいない

  3. 総務省 SBOM 対応ノスゝメ

    総務省 SBOM 対応ノスゝメ

  4. 企業のネットワーク管理者必見!Internet Week 2017 セキュリティセッション紹介 第1回「インシデント対応ハンズオン2017」について語る

  5. 自動車サイバーセキュリティコンテスト「Automotive CTF Japan」新たに開催

  6. 安価で導入しやすい AWS や Azure の WAF、その一方でユーザーが抱える運用課題とは? ~ サイバーセキュリティクラウド

アクセスランキングをもっと見る

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×