最も大きなサイバー脅威は犯罪者ではなく国家 | ScanNetSecurity
2024.04.27(土)

最も大きなサイバー脅威は犯罪者ではなく国家

サイバースペースの安定性に関するグローバル委員会(GCSC)は、インターネットおよびインターネット接続型のすべての端末が戦争にて攻撃対象になる事態をいかに防ぐか、ガイダンスを公開している。

国際
「RISK ANALYSIS OF THE EXISTING INTERNET GOVERNANCE AND OPERATIONAL MODEL」
 サイバースペースの安定性に関するグローバル委員会(GCSC)は、インターネットおよびインターネット接続型のすべての端末が戦争にて攻撃対象になる事態をいかに防ぐか、ガイダンスを公開している。しかし同委員会は、そのガイダンスの誤った解釈が広まっているのではないか、ひょっとすると国家が誤った解釈を意図的に流布しているのではないか、と心配している。

 GCSC は世界的な行動規範の策定に取り組んでおり、国家の行動を規定する外交文書が、その行動規範を採用することを望んでいる。同委員会がこのような取り組みを行うのには、理由がある。物理兵器を用いた戦争では、病院または学校への攻撃は条約で禁止となっている。それなのに、情報戦においては簡単に病院を機能停止に追い込める旨をまだ正式に認知していない国が多いのだ。そのため GCSC では、物理兵器を用いた戦争に関してのルールと同等のルールが情報戦に関しても必要であることを、各国に認識してほしいと考えている。

 同委員会のこうした取り組みはかなり実を結んでおり、すでに 8 つの規範の策定が終わっている。1 つ目の規範は、インターネットのパブリックな中核システムへの干渉を禁止するものだ。具体的には「ドメイン名システム」「DNSSEC」「WHOIS情報サービス」「IANA が運営するシステム」および「地域インターネットレジストリのシステム」への攻撃を禁止するよう求めている。
《The Register》

編集部おすすめの記事

特集

国際 アクセスランキング

  1. 海外における個人情報流出事件とその対応 第234回 頻発する税務局関連フィッシング(1)税還付フィッシングツールキット

    海外における個人情報流出事件とその対応 第234回 頻発する税務局関連フィッシング(1)税還付フィッシングツールキット

  2. 訃報:セキュリティの草分けロス・アンダーソン氏 死去 67 歳、何回分かの生涯に匹敵する業績

    訃報:セキュリティの草分けロス・アンダーソン氏 死去 67 歳、何回分かの生涯に匹敵する業績

  3. レポート:NSA は、ほとんどのインターネットの暗号を侵害してきた~このあたりも住みにくくなったものだ(The Register)

    レポート:NSA は、ほとんどのインターネットの暗号を侵害してきた~このあたりも住みにくくなったものだ(The Register)

  4. TorがAmazonクラウドでDIYリレーを開始〜構築が容易で安価に実行可能(The Register)

  5. 海外における個人情報流出事件とその対応第226回 米医療機関、患者情報のセキュリティ確保に苦心(2)注意したい、有名人の医療情報のセキュリティ

  6. 米国、英国のプライバシー監視機関が政府の監視を抑制する法的訴訟を提起~プライバシープロテクターが最高裁判所と英国裁判所に NSA、GCHQ の抑制を請願(The Register)

  7. 総資産 2,303 万 3,975 ドル、逮捕された Alphabay 運営者のずさんなセキュリティ管理 (The Register)

  8. フォレンジック・ビジネスがApple FileVaultを1時間未満でクラック〜Passware、Lionの腹をひっかいてディスクに侵入(The Register)

  9. 訃報「伝説のハッカー」ケビン・ミトニック氏 59歳

  10. 中国ハッカーが発表した「自律ルール」日本語訳(全文)(Far East Research)

アクセスランキングをもっと見る

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×