ガートナージャパン株式会社は10月1日、SaaSセキュリティへの取り組みについて、アイデンティティ保護とデータ・セキュリティの見直しが重要であるとの見解を発表した。 同社ではSaaSセキュリティの課題として、次の3点が挙げている。1.ルールがない これまでのセキュリティは、オフィスやデータセンターなどの閉域網が中心で、アイデンティティとデータの保護に対するルールを細かく設定しなくても、境界型のセキュリティ対策の強化でセキュリティ全体のリスクを下げることができた。SaaSの活用で、業務アプリケーションが閉域網からクラウドへ移行し境界がなくなったことで、アイデンティティやデータ保護をSaaSごとに実装する必要に迫られている。2.設定とレベルがばらばらである SaaSの場合は、それぞれのアプリケーションで個別に認証、アクセス管理、データ保護を行う必要があり、セキュリティが分散化、数多くのSaaSを利用すれば運用は煩雑になり、またSaaSによって実装できるセキュリティ機能に差があるため、セキュリティレベルを一定に保つことが難しくなる。3.SaaSの評価と採用に手間が掛かる SaaS採用時にはチェックリストなどで個別にセキュリティ機能を評価するが、IT部門に代わってユーザー部門がチェックを担当する場合、専門用語が並ぶチェックリストに戸惑い、評価に時間を要することで「すぐに使える」SaaSのメリットを生かせなくなる。 同社アナリストでディレクターの矢野薫氏は「クラウド上にSaaSのアイデンティティとデータ・セキュリティの標準化基盤を作っておくことで、セキュリティの運用を分散させずに一元化できる上に、すべてのSaaSに対して同じセキュリティ機能の適用が可能」と述べている。
Apple 社へ不満持つ研究者 iOSの脆弱性開示/北朝鮮のSNS介したサイバー攻撃 ほか [Scan PREMIUM Monthly Executive Summary]2021.10.5 Tue 8:20