>> Scan PREMIUM Monthly Executive Summary 執筆者に聞く内容と執筆方針
【1】前月総括
7 月は米国を中心に、中国やロシアによるサイバー攻撃のアドバイザリーが複数発表されました。30 日には EU がサイバー攻撃で訴追されている 6 人の個人と3つの団体(中国、露国、北朝鮮)に対して制裁を科すなど、サイバー攻撃を介して、国際社会に動きがあったといえそうです。
インシデントに関してですが、7 月もランサムウェアによる被害が話題となりました。特に、Maze ランサムウェア は、標的組織内のデータを暗号化するだけでなく、Maze Team のオフィシャルサイトに窃取した情報の一部をアップロードをするため、被害組織は二重の苦しみを味わうことになります。
特に、公開されてしまった漏洩情報に、被害組織がこれまでひた隠しにしていた情報が含まれていた場合は、事業継続にも影響を及ぼしかねません。その観点では、サイバー犯罪被害のダメージレベルが、これまでよりランクアップしたといえるでしょう。
脆弱性に関してですが、F5 BIG-IP や大型の脆弱性情報が報告されています。Mirai ボットネットへも組み込まれたとの報告もあり、その被害は今後も拡大する可能性があります。
また、ドイツの FKIE が、欧州で販売されている大手ベンダー 7 社のホームルータのセキュリティ評価を行い、殆どの製品に脆弱性が存在することを発表しました。在宅勤務率が増加中の日本企業にとっても、気にかけておきたい内容です。
日本へのサイバー攻撃は、一見少ないようにみえますが、現在も複数の事案が発生していたことが確認されています。その一部は報道されるものもあると思いますが、圧倒的に検出できずに対応に苦慮しているケースの方が多いのが現状です。(国内での)脅威情報が少ないと感じる時こそ、事案発生を疑うことを推奨します。