株式会社カスペルスキーは2月14日、Kasperskyのセキュリティリサーチチーム が、2019年の主要なサイバー脅威の数字についてまとめた年次レポートを発行したと発表した。Kasperskyが2019年12月12日に発表したリリースの抄訳として伝えている。これによると、2019年にWebアンチウイルスコンポーネントが検知した悪意あるオブジェクト(スクリプト、エクスプロイト、実行ファイルなど)のユニーク数は24,610,126件で、2018年の21,643,946件から13.7%増加した。この背景には、手段を選ばない広告主がユーザに気づかれないようにデータ読み込みを行うHTMLページやスクリプトが、数、種類ともに増加したこと。さらに特筆すべきこととして、Webスキミングがその増加の一因となっていることを挙げた。Webスキミングは、攻撃者がオンラインストアなどECサイトに不正スクリプトを埋め込み、ユーザのクレジットカード情報などを窃取すること。2019年にWebアンチウイルスコンポーネントが検知したWebスキミング用ファイル(スクリプトおよびHTML)のユニーク数は、2018年から187%増の510,000件へと急増し、脅威の件数も約5倍(523%)の2,660,000件に達した。一方で、悪意あるURLのユニーク数は273,782,113件と、2018年の554,159,621件からほぼ半減している。この主な原因は、Webマイナーの大幅な減少であるが、それでもWebベースの攻撃に利用されたマルウェアの上位20種に、3種のWebマイナーがランクインしている。