◆概要
2019 年 11 月に、Microsoft Windows で任意のファイルが上書き可能となる脆弱性が報告されています。脆弱性の悪用により、管理者権限でしか操作ができないファイルが上書き可能となります。セキュリティ更新プログラムの適用により対策してください。
◆分析者コメント
公開されているエクスプロイトコードでは、任意のファイルを任意の内容に書き換えられるわけではなく、対象ファイルへの上書き内容を自由に制御することができないことを確認しています。脆弱性の悪用対象となるファイルを、起点となるファイルと同一のものに上書きできるのみです。
上書きされたファイルのアクセス権限は、脆弱性の起点となる teredo.txt または iphttps.txt と同じになります。よって、これらを編集する権限を持つユーザアカウントで脆弱性の悪用を試みた場合は、脆弱性を悪用する対象となるファイルの内容を自由に書き換えられます。しかし、いずれのファイルも基本的には管理者権限でしか上書きができないものであるため、特殊な環境でない限りは当該脆弱性を用いて、任意のファイルを好きな内容に書き換えることはできません。そのため、管理者権限でのコード実行への悪用が難しい脆弱性であると考えられますが、サービスの停止やシステムの破壊につながる可能性はあるため、セキュリティ更新プログラムの適用による対策を推奨します。
◆深刻度(CVSS)
[CVSS v3.1]
7.8
https://nvd.nist.gov/vuln-metrics/cvss/v3-calculator?name=CVE-2019-1422&vector=AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H&version=3.1&source=NIST
[CVSS v2]
4.6
https://nvd.nist.gov/vuln-metrics/cvss/v2-calculator?name=CVE-2019-1422&vector=(AV:L/AC:L/Au:N/C:P/I:P/A:P)&source=NIST
◆影響を受けるソフトウェア
以下のバージョンの Microsoft Windows が当該脆弱性の影響を受けると報告されています。
- Microsoft Windows 7 SP1
- Microsoft Windows 8.1
- Microsoft Windows RT 8.1
- Microsoft Windows 10 Version 1607
- Microsoft Windows 10 Version 1709
- Microsoft Windows 10 Version 1803
- Microsoft Windows 10 Version 1809
- Microsoft Windows 10 Version 1903
- Microsoft Windows Server 2008 R2 SP1 Itanium
- Microsoft Windows Server 2008 R2 SP1 x64
- Microsoft Windows Server 2008 R2 SP2
- Microsoft Windows Server 2012
- Microsoft Windows Server 2012 R2
- Microsoft Windows Server 2016
- Microsoft Windows Server 2016 Version 1803
- Microsoft Windows Server 2016 Version 1903
- Microsoft Windows Server 2019
◆解説
Microsoft Windows に、IPv6 の機能を担う DLL である iphlpsvc.dll を起点として、任意のファイルが書き換え可能となる脆弱性が報告されています。
2019 年 11 月に、Microsoft Windows で任意のファイルが上書き可能となる脆弱性が報告されています。脆弱性の悪用により、管理者権限でしか操作ができないファイルが上書き可能となります。セキュリティ更新プログラムの適用により対策してください。
◆分析者コメント
公開されているエクスプロイトコードでは、任意のファイルを任意の内容に書き換えられるわけではなく、対象ファイルへの上書き内容を自由に制御することができないことを確認しています。脆弱性の悪用対象となるファイルを、起点となるファイルと同一のものに上書きできるのみです。
上書きされたファイルのアクセス権限は、脆弱性の起点となる teredo.txt または iphttps.txt と同じになります。よって、これらを編集する権限を持つユーザアカウントで脆弱性の悪用を試みた場合は、脆弱性を悪用する対象となるファイルの内容を自由に書き換えられます。しかし、いずれのファイルも基本的には管理者権限でしか上書きができないものであるため、特殊な環境でない限りは当該脆弱性を用いて、任意のファイルを好きな内容に書き換えることはできません。そのため、管理者権限でのコード実行への悪用が難しい脆弱性であると考えられますが、サービスの停止やシステムの破壊につながる可能性はあるため、セキュリティ更新プログラムの適用による対策を推奨します。
◆深刻度(CVSS)
[CVSS v3.1]
7.8
https://nvd.nist.gov/vuln-metrics/cvss/v3-calculator?name=CVE-2019-1422&vector=AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H&version=3.1&source=NIST
[CVSS v2]
4.6
https://nvd.nist.gov/vuln-metrics/cvss/v2-calculator?name=CVE-2019-1422&vector=(AV:L/AC:L/Au:N/C:P/I:P/A:P)&source=NIST
◆影響を受けるソフトウェア
以下のバージョンの Microsoft Windows が当該脆弱性の影響を受けると報告されています。
- Microsoft Windows 7 SP1
- Microsoft Windows 8.1
- Microsoft Windows RT 8.1
- Microsoft Windows 10 Version 1607
- Microsoft Windows 10 Version 1709
- Microsoft Windows 10 Version 1803
- Microsoft Windows 10 Version 1809
- Microsoft Windows 10 Version 1903
- Microsoft Windows Server 2008 R2 SP1 Itanium
- Microsoft Windows Server 2008 R2 SP1 x64
- Microsoft Windows Server 2008 R2 SP2
- Microsoft Windows Server 2012
- Microsoft Windows Server 2012 R2
- Microsoft Windows Server 2016
- Microsoft Windows Server 2016 Version 1803
- Microsoft Windows Server 2016 Version 1903
- Microsoft Windows Server 2019
◆解説
Microsoft Windows に、IPv6 の機能を担う DLL である iphlpsvc.dll を起点として、任意のファイルが書き換え可能となる脆弱性が報告されています。