株式会社ラックは6月19日、「サイバー救急センターレポート 特別編集号」を公開した。同レポートは、同社のサイバー救急センターが相談を受けて対応しているインシデントレスポンスやフォレンジック調査の結果に基づいて、直前の四半期のインシデント傾向や対応方法について記載したもの。今回は特別編集号として、ひとつの攻撃者グループに関する調査結果に焦点を当てた内容となっている。今号で取り上げているのは、少なくとも2016年以降、ロシア系言語を使用し活動していると推測される「HYDSEVEN(ハイドセブン)」と呼ばれる攻撃者グループ。仮想通貨の窃取を目的とした同グループの活動に関し、2016年から2019年に同グループが利用したTTPs(Tactics、Techniques and Procedures)を明らかにしたものとなっている。同グループの活動に関する情報は少ないものの、同社では日本やポーランドを含むさまざまな国で活動していることを確認しているという。レポートでは、「HYDSEVEN」のタイムラインから、「VBAマクロ」「ソフトウェアの脆弱性」「偽のインストーラ」の3つの攻撃手口、攻撃に使用される2つのマルウェア(NetWireとEkoms:Mokes)の特徴、C2インフラ、攻撃者グループの背景、そして検出または緩和策について、詳細に紹介している。