チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社(チェック・ポイント)は5月23日、2019年4月の「Global Threat Index(世界の脅威指標)」を発表した。レポートによると、バンキング型トロイの木馬「Trickbot」が、約2年ぶりにトップ10へ返り咲いている。Trickbotを使用したキャンペーンは4月に入って急増しており、米国では間もなく期限を迎える個人確定申告に便乗したスパム・キャンペーンが複数確認されている。4月のマルウェア・ファミリーの上位3種は、「Cryptoloot」「XMRig」「JSEcoin」とマイニング・ツールが占めた。ただし、この3種以外の4位から10位はすべて多目的型のトロイの木馬であった。マイニングサービスや仮想通貨の下落を受け、サイバー犯罪者はより大きな金銭的利益を見込める攻撃手法に移行している可能性を示している。4月のモバイル・マルウェア上位3種は、1位がAndroid向けのモジュール型バックドア「Triada」、2位がAndroid OSの脆弱性を悪用しデバイスのroot権限を取得するハッキング・ツール「Lotoor」、3位が正規のアプリを再パッケージしてサードパーティ・アプリ・ストアで公開するAndroidマルウェア「Hiddad」であった。4月の脆弱性の上位3種は、1位が世界の44%の組織に影響を与えた「OpenSSL TLS DTLS Heartbeatにおける情報漏えい(CVE-2014-0160、CVE-2014-0346)」、2位が「Microsoft IIS WebDAVサービスのScStoragePathFromUrl関数のバッファ・オーバーフロー(CVE-2017-7269)」、3位が「Apache Struts2におけるコンテンツ・タイプを利用したリモート・コード実行(CVE-2017-5638)」となっている。