マクニカネットワークス株式会社は4月25日、ホワイトペーパー「OceanLotus 東南アジア自動車業界への攻撃」を公開した。日本の自動車会社とそのサプライチェーンに攻撃を行うベトナムの標的型攻撃グループ「OceanLotus(APT32)」の攻撃手法を解析し、対策に使うインディケータを記載したものとなっている。OceanLotusは、主に中国、ベトナム、フィリピンといった東南アジアの国々を攻撃しており、独自のマルウェアやオープンソースのツールを使い、標的型攻撃や諜報、Web改ざんなど多様な攻撃を行っている。現在のところ、直接日本を狙った攻撃は観測されていない。しかし、2018年秋頃から複数の自動車関連企業の東南アジア拠点で攻撃が観測されており、日本の自動車関連企業の東南アジア拠点が標的にされる可能性を指摘している。攻撃方法と特徴では、履歴書の送付を装った代表アドレスへのメールが多く観測されている。メールにはWordファイルが添付されており、これを開くとTemplate Injectionの手法でマクロを自動的にダウンロードし、マクロを有効にすると悪意のあるコードが実行される。ローダーに公開・商用ツールの「Cobalt Strike/CACTUSTORCH」を使用するという特徴があり、これによりバックドアや内部活動ツール、ダウンローダーなどをロードする。添付ファイルにマクロが含まれておらず、マクロはHTTPSでダウンロードされる。また、コードはメモリ上でのみ実行されるので、検知は難しいとしている。同社では、東南アジアに拠点のある自動車関連企業はガバナンス、注意喚起が必要としている。
Windows AppX Deployment Service においてファイルハンドルの取り扱い不備により任意のファイルのフルアクセス権が掌握可能となる脆弱性(Scan Tech Report)2019.4.24 Wed 8:10