一般社団法人 JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)は2月14日、「runc の権限昇格の脆弱性(CVE-2019-5736)に関する注意喚起」を発表した。これは2月12日(現地時間)にDockerコンテナ等で使用する「runc」に関する脆弱性が公開されたことを受けたもの。対象となるバージョンは次の通り。・runc 1.0-rc6 およびそれ以前また、各ディストリビューションにおける本脆弱性の影響を受けるバージョンは次の通り。・Ubuntu : runc 1.0.0~rc4+dfsg1-6ubuntu0.18.10.1 より前のバージョン・Debian : runc 0.1.1+dfsg1-2 より前のバージョン・RedHat Enterprise Linux : docker 1.13.1-91.git07f3374.el7 より前のバージョン・Amazon Linux : docker 18.06.1ce-7.25.amzn1.x86_64 より前のバージョン・Docker : docker 18.09.2 より前のバージョンなお、上記以外のruncを使用するコンテナサービスも該当する可能性がある。本脆弱性を悪用して細工したコンテナをユーザが実行した場合、ホスト上のruncバイナリが意図せず上書きされる。結果として、コンテナが起動しているホスト上で、root権限でコマンドが実行される恐れがある。JPCERT/CCでは、本脆弱性に関する実証コードが公開されていることを確認したため、注意喚起として改めて発行した。また対策として、各ディストリビュータの情報を参考に対策済みのバージョンに更新するよう呼びかけている。