電子投票マシンの脆弱性、中間選挙で使用された実機検証で発見された不審な痕跡とは | ScanNetSecurity
2025.02.28(金)

電子投票マシンの脆弱性、中間選挙で使用された実機検証で発見された不審な痕跡とは

近年、選挙でも問題になるのがサイバー攻撃だ。投票結果の改ざん、議員スキャンダルを狙ったもの、関連した諜報活動や選挙妨害。これらはいまやサイバー攻撃でも行われる。米大統領の中間選挙が迫るなか、あらためて投票とサイバー攻撃について考えたい。

研修・セミナー・カンファレンス
バージニア州で使われていた電子投票機の実機
  • バージニア州で使われていた電子投票機の実機
  • コペンハーゲン IT 大学の Carsten Schuermann 准教授
  • 各州の投票方式の対応状況
  • 壇上 PC から DRE に侵入を試みる
  • 不審な痕跡その1、中国歌謡曲の mp3 データ
  • 2012年11月6日の中間選挙のとき、DRE に記録された午前2時ごろのイベントの増加を示したグラフ
  • 投票に関係ありそうな不審なログ
 近年、選挙でも問題になるのがサイバー攻撃だ。投票結果の改ざん、議員スキャンダルを狙ったもの、関連した諜報活動や選挙妨害。これらはいまやサイバー攻撃でも行われる。米大統領の中間選挙が迫るなか、あらためて投票とサイバー攻撃について考えたい。

 米国では、下院議員(全員)と上院議員の 3 分 1 の改選が 2 年ごとに行われる(州知事選も同じ時期)。これが大統領の任期4年の中間にあたり、実質的な国民の政策評価であり大統領の信任にもなり、さらに 2 年後の大統領選までの大きなマイルストーンと位置付けられている。いわゆる中間選挙と呼ばれるものだ。

●前回の大統領選で疑われた電子投票端末

 トランプ大統領が選ばれた中間選挙( 2012 年)でも、電子投票端末( DRE )による投票で不正があったのでは、という疑惑もあった。使われていた端末が、Service Pack さえ適用されていない Windows XP で、Wi-Fi が WEP で有効になっていたり、端末のパスワードが「abcde」だったりと散々な仕様だったことから、投票結果の改ざんが懸念されたのだ。

 この DRE は、2003 年から 2015、6 年ごろまで全米で 4,000 台ほど使われていたが、脆弱性の指摘などもあり 2015 年に公式に廃止機種となった。コペンハーゲン IT 大学の Carsten Schuermann 准教授は、問題の DRE を何台か入手、独自に調査・解析を行い、今夏開催された Black Hat USA 2018 において、解析結果報告と、DREによる投票の注意点を解説する講演を行った。

《中尾 真二( Shinji Nakao )》

関連記事

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 永世名誉編集長 りく)

×