――NOD32 の時代から ESET 製品は日本でも玄人受けするアンチウイルスソフトとして定評があります。その ESET 社直伝の解析ノウハウを身につけたことはラボの力になると思います。
非常に勉強になった留学でした。興味深かったのは、ESET 社の解析者は学生時代からマルウェア解析に関する専門的なスキルを身に付けており、全員が非常に高いスキルを持っていたことです。職人肌で裏方志向の方が多く、あまり表に出て発表されたりはしません。アンチウイルスソフトではパイオニアであり、マルウェア解析でも秀でているのに少しもったいないと感じるくらいでした。私は今夏初めて、ラスベガスで開催された Black Hat USA に参加して、いつか研究者として Black Hat USA の Briefings で講演したいと思いました。今後、ESET 社と共同研究を進めていけば、そういった情報発信もできるのではないかと思っています。
レポートでは、トレンドとしては仮想通貨関連の脅威、オンラインバンキングへの攻撃、脆弱性情報、犯罪者向けのプラットフォーム( Crime as a Service )を報告しています。講演では、このうち Crime as a Service について掘り下げます。また、ESET 社と共同で分析・調査を続けてきた、アジアで展開されている APT 攻撃キャンペーンの分析結果もご紹介する予定です。
―― Black Hat USA の Briefings で講演される夢、その経験と若さで是非実現させて下さい。その際は本誌が取材に行きます。本日は、どうもありがとうございました。