トレンドマイクロ株式会社は9月6日、総合セキュリティソフト「ウイルスバスター」シリーズの最新版を発表した。オンライン販売は同日より、店頭販売は9月13日より開始される。同社のプロダクトマーケティングマネージャーである木野剛志氏は、最新版の強化ポイントとして、「AIによる未知への脅威への対策の強化」と、「個人情報を狙う攻撃からの保護強化」を挙げた。「ウイルスバスター」には、ファイルの実行前に侵入経路やファイル形式、ファイルの書き方といったファイルの特徴を静的に分析するものと、ファイルの実行時に通信先や実行されるプロセスなどのふるまいを動的に解析するものの、ふたつの機械学習型スキャンが搭載されている。最新版では、ファイルの特徴とふるまいの特徴を組み合わせて照らし合わせることで、ファイルが実行される前にふるまいを予測する機能を搭載。ファイルの特徴をもとにした静的な解析と、ファイルの特徴からふるまいを予測する解析を実行前に組み合わせるAI技術「ハイブリッドモデル」により、防御力の向上を図ったとしている。Android端末向けの不正/迷惑アプリは年々増加傾向にあり、同社では累計2,800万個以上を確認している。さらに2018年に入り、正規のアプリマーケットであるMac App Storeにて不正アプリが配布されている事例を確認していると説明。増大する不正アプリの脅威への対策を強化するため、最新版ではAndroid、Mac向けにも機械学習型スキャン機能が搭載されている。また、不正プログラムに感染したという偽の警告メッセージをブラウザ上に表示させ、偽のサポートサービスに加入させる詐欺/偽警告への対策機能を強化。サポート詐欺/偽警告サイトの構造上の特徴をパターン化して検出するという従来の機能に加え、詐欺サイトの構造やスクリプトの特徴を学習させたAI技術を搭載することで、パターンでは検出困難なサポート詐欺/偽警告サイトへのアクセスブロックが可能となった。そのほか、ネットバンキングやネットショッピングなどの正規サイトへアクセスした際にサイバー攻撃への対策を強化する決済保護ブラウザや、スマートフォンやタブレットでLINEやFacebookなどのアプリ内ブラウザ利用時に不正サイトへのアクセスをブロックする機能が、従来から対応していたiOSに加えAndroidでも利用できるようになった。同社の取締役副社長である大三川彰彦氏は、「これまで培ってきた様々な視点から脅威情報を集める能力、それを迅速に的確なデータとして分析する力やアウトプット力と、最新のテクノロジーを融合して製品ソリューションを届けてきた。その最新となるものが、今回発表する“ウイルスバスターシリーズ”の新バージョンである」とした。さらに、同社のプロダクトマネージャーである木野剛志氏は30年間の脅威の変遷を説明すると、「ウイルスバスター」最新版の新機能を説明。脅威が常に進化し、新しいやり口が出現し続けることに触れ、「『ウイルスバスター』は、“将来こういった脅威が来るだろう”という予測のもと、新しい技術を先行して提供することによってお客様を保護していきたい」と結んだ。最新版のラインアップは、マルチデバイス対応の総合セキュリティソフト「ウイルスバスター クラウド」(5,380円)、「ウイルスバスター クラウド+デジタルライフサポート プレミアム」(7,980円)、スマートフォン・タブレット向けセキュリティアプリ「ウイルスバスター モバイル」(3,065円)の3種類となり、1年版、3年版などが用意されている(価格はダウンロード版の1年版、税込)。「ウイルスバスター クラウド」はPC、スマートフォン、タブレット(Windows、Mac、Android、iOS)を最大3台まで保護することができ、「ウイルスバスター モバイル」は単体購入も可能だ。