株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は5月31日、「wizSafe Security Signal 2018年4月 観測レポート」を発表した。同レポートは、IIJの提供するセキュリティ事業において収集・観測した攻撃活動についてまとめたもの。同社が対処したDDoS攻撃のうち、「IIJ DDoSプロテクションサービス」で4月に検出したDDoS攻撃は、1日あたり18.93件。もっとも大規模だったものは7.92Gbpsであった。前月よりも攻撃規模、回数ともに減少している。「IIJマネージドセキュリティサービス」の観測情報では、SCTP(Stream Control Transmission Protocol)を用いたスキャン活動が4月6日から4月14日にかけて増加した。送信元はロシアとフランスの2つのIPアドレスで、この攻撃が4月の攻撃全体の7割強を占めた。この攻撃を除いた傾向は、前月から大きな変化はなかったが、「HTTP: Oracle WebLogic Server Remote Code Execution Vulnerability(CVE-2017-10271)」の検知数が増加している。Webサイト経由のマルウェアの種類では、WordPressに対するWebサイトの改ざんと考えられる「Trojan.JS.Agent」と、ブラウザ上で仮想通貨をマイニングさせるスクリプト「Trojan.JS.Miner」を多く検出した。メール経由のマルウェアの種類では、Trojan-Downloaderに分類される「MSWord.Agent」と「VBS.Agent」の二種類の攻撃が多く検出されており、全体の90%以上を占めた。