日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は1月30日、グローバル調査「IDの未来に関する調査」の結果を公開した。同調査は2017年10月21日から11月5日まで、米国、EU、アジア太平洋地域(APAC)の約4,000人の成人を対象に、デジタルIDや認証に対する消費者の考え方について実施したオンライン調査。この調査により、人々がアプリケーションやデバイスにログインする際、利便性よりもセキュリティを優先していることが明らかになったとしている。セキュリティ、利便性、プライバシーに関しては、「利便性こそが第一である」という長年の常識を覆す結果となった。銀行アプリ、投資アプリ、予算アプリにおいて、回答者の70%が最優先事項に「セキュリティ」を挙げた。「プライバシー」は16%、「利便性」は14%にとどまっている。オンライン市場、ワークプレイス・アプリ、メールにおいても同様の位置づけとなった。ただし、SNSアプリでは利便性が36%、セキュリティが34%、プライバシーが30%と、曖昧になっている。ログイン方法のセキュリティについては、もっとも安全な認証方法は「指紋生体認証」が44%、パスワードが27%、PINが12%となった。パスワードについては世代間で差が出る結果となっており、複雑なパスワードを使用する割合は55歳以上が49%であるのに対し、ミレニアル世代(1980年代から2000年代初頭までに生まれた世代)は42%、パスワードの使い回しは55歳以上の31%に対しミレニアル世代は41%となっている。また、使用するパスワードの数は、55歳以上が12個であるのに対し、18~20歳では5個であった。